近畿
京春日「神相撲」が語る千二百年の歴史 ― 薄れてゆく由来 ―
はじめに 京都西山の麓、京都市西京区大原野に鎮座する大原野神社(おおはらのじんじゃ)は「京春日(きょうかすが)」といわれている(資料1)。藤原氏との関わりが深い...
氏子たちによって伝承される「宮踊り」 ―人と場所をつなげる文化の価値―
はじめに 三重県津市香良洲町でおこなわれている「宮踊り」は、氏神に前年の収穫を感謝し、今年の豊漁豊作を祈願する奉納踊りで、約350年前から途絶えることなく伝承し続...
明珍火箸風鈴 〜日本の伝統技術と音感覚の融合 その未来〜
はじめに 自然の風を生かし音を愛でる工芸品の風鈴のひとつ「明珍火箸の風鈴」は兵庫県姫路市の金属工芸品である。甲冑鍛冶の伝統技術を受け継ぐ鍛冶職人により全て手作...
いにしえを伝え続ける奈良の固形墨の継続と可能性
はじめに 610年に日本に伝えられ、朝廷の置かれた明日香で始まった墨造りは、遷都(1)とともに奈良に伝わり、都が京都(2)に移ってからも奈良に留まっている。本稿では...
伝統工芸士の伝統×デジタルとの関わり方
1. はじめに 京都は、日本の伝統工芸にとって重要な場所だ。京都は古くから織物や漆、技法などの技術を磨いてきた地域であり、その美しい伝統工芸は世界的にも知られて...
人が集まる場所 ー京都、「駒井家住宅 駒井卓・静江記念館」の魅力ー
1.はじめに 心地いい空間に人が集まる。私が「駒井家住宅 駒井卓・静江記念館」を初めて訪れたのは1年ほど前。95年も前から建つ住宅が今もなお丁寧に保存されている...
加賀屋新田会所跡(加賀屋緑地)の保存と活用 ー未来への継承のためにー
はじめに 本稿では、大阪市の史跡・有形文化財に指定されている「加賀屋新田会所跡(加賀屋緑地)」を取りあげ、その保存と活用について考察し、未来へ継承するための可...
街づくりを支える高架下『TauT(トート)阪急洛西口』
【はじめに】 TauT(トート)阪急洛西口(以下、トートとする)は京都洛西エリア(註①)に存在する阪急洛西口駅-桂駅間の高架化により誕生した高架下空間を活用した新し...
“継承の意思”-1000年を越えて宝物を今日に継承する、正倉院の管理と保存の根源-
はじめに 芸術作品は使い古されるものではなく、鑑賞され、継承されるものである。今日を生きる人々にとって、このような認識は自明に思える。美術館や博物館を訪れると...
二つの走井餅の歴史と目指す未来
1、はじめに 京都府八幡市には走井餅という、餅の中にこしあんが入った白い餅が売られている。 その餅は、ほとばしる水滴を表した形、刀の荒身を模した独特の形と言わ...