氏子たちによって伝承される「宮踊り」 ―人と場所をつなげる文化の価値―

米川 志保

はじめに
三重県津市香良洲町でおこなわれている「宮踊り」は、氏神に前年の収穫を感謝し、今年の豊漁豊作を祈願する奉納踊りで、約350年前から途絶えることなく伝承し続けられている伝統芸能である(1)。
しかし、人口減少や少子高齢化などの問題で途絶えてしまった伝統芸能もある中で宮踊りが伝承できているのはなぜなのだろうか。
本稿では、フィールドワーク(2)により伝承のあり方に着目し、人と場所に視点をおき、宮踊りの価値について報告する。

1.基本データ
名称:宮踊り(資1)
開催場所:香良洲神社境内(3)及び町内中心道路
開催日:毎年8月15日、16日
運営母体:町内4地区(4)(地家区・馬場区・砂原区・小松区)
備考:昭和45年2月25日、三重県無形民俗文化財に指定

2.歴史的背景
宮踊りの起源を示す文献等は見当たらないが、宮踊りは「かんこ踊り」や「風采踊り」とも呼ばれている(5)ことから三重県下に分布するかんこ踊り(資2)の歴史と伝来経路を辿る。
かんこ踊りは「雨乞踊り」と「念仏踊り」に分類されているが、念仏芸能をもとに普及、展開したもので、その特徴は、「かんこ」「しゃぐま」(資2)にあり、踊り念仏の本家である京都「やすらい花」の影響があるとされている(6)。
また、「太鼓踊り」の観点からは、田楽芸能との親近性もあると考えられており、三重県下のかんこ踊りに「ささら」を伝承するところが存在していることからも田楽の影響があるとされている(7)。
これらの背景から念仏芸能や田楽など、中世の様々な芸能を経て、かんこ踊りに取り入れられたと考えられている(8)。
かんこ踊りを伝承する地域の言い伝えでは、古いところでは700年前、室町時代からといったところがあるが、多くは300~350年位前(元禄時代)からと伝えられている。
また、第二次世界大戦後には娯楽的な要素が強まったこともあり、次第に地区をあげての行事となっていった(9)。
しかし、人口減少や少子高齢化などの問題で途絶えてしまった地域もあるが、宮踊りは時代の変化に応じながら途絶えることなく伝承されている。

3.事例の評価
3-1.伝承のあり方
香良洲町は伊勢湾に面した周囲を堤防で囲まれたデルタ地帯の小さな町であり、古くから地形的にも行政的にも他地域とは隔離された一つのまとまった地域を形成している(資3・10)。
それゆえ、宮踊りの運営母体は区であり、保存会といった組織はない。また、費用も区費によって賄われ、香良洲神社の宮司や行政は関与しておらず、主体は各区にある(11)。
すなわち、費用も芸もすべて区ぐるみということであり、芸能を通して地域の和を育み、若者たちが地域での生き方を学んでいる。
しかしながら、他の地域のように過疎によって生じる伝承問題が懸念されていることがアンケート調査により分かった(資4)。
さらに、最近は、近所付き合いの減少といった地域の繋がりが希薄化されていることは、今後の伝承に影響されると考える(資4)。
これに対して、区の実行委員長谷川会長のインタビュー(12)で、「離村した氏子や踊り経験者は、祭りのときには、香良洲町に戻ってきて役目を果たす人もいる。」という。
このように、地元を離れても郷土への強い思い入れがある人々やそれぞれの区が責務を分担して、相互協力によって伝承されている点は評価できる。
したがって、野村朋弘は、「伝統とは新たに創出されたものが、普遍的な価値をもち、永く後世に伝わることである(13)。」と述べているとおりで、宮踊りは、独自の運営のあり方で、地域のコミュニティを創出し、人と人をつなげる文化として伝承し続けている。

3-2.人と文化がつながる場所
踊りが奉納される神社や巡行場所などの地域内では共有できている重要な場所が、町の空間には存在する(資5・6)。
しかし、普段は認識されることなく分かりづらい場所もあり、このような場所への意味づけをしなければ、場所は失われていく可能性があるのではないだろうか。
「儀礼や祭礼という神聖な時間をデザインすることで、単なる場所や空間を、人間や社会にとって意味ある場所に変えてきた(14)。」とあるが、「意味ある場所」とはどのような場所なのだろうか。
踊りが奉納される神社や氏子たちが巡行する町の空間に視点をおくと、普段は意識されることのない空間が、祭礼の時間によって「ハレ」の舞台に一変する。
これは、日常の時間と非日常の時間を照らし合わせることで、場所への意味を問い直しているのではないかと考える。
したがって、「意味ある場所」とは、時間のデザインによって創出された、人々の存在根拠となる場所であるといえる。
このように、人々の存在根拠となる場所が地域のエリアを活性させている。故に宮踊りの構成は優れたデザインとして評価できる。

4.「猟師かんこ踊り」との比較(資7)
4-1.伝承のあり方
三重県松阪市猟師町(資3)に伝承されている「猟師かんこ踊り」は、400年余り続く伝統芸能とされており、その運営や保存は、地元の人々からなる保存会と青年団である(15)。
ここでは子どものかんこ踊りがおこなわれており、青年団を中心に伝承に努めている。
こうした、子どもの参加が猟師かんこ踊りの存続を可能にしていると考えられる。
保存会の西口副会長のインタビュー(16)で、「地元の人は、かんこ踊りが好きで猟師町を離れる人は、ほとんどいない。だから、伝承し続けられている。」という。
このように、地元の人たちの結束力やアイデンティティによって伝承されているが、人口減少や少子高齢化問題への対応策が進んでいない点は課題である。

4-2.人と文化がつながる場所
地元の人たちが、先祖や故人を偲んで踊るのが猟師かんこ踊りの特徴である(17)。
盆の期間中には老若男女問わず、共同体を構成する人々が寺の境内や町の広場で輪になって踊る素朴なものである。
このように、踊りを通して地元の人々は交流を深め、共同体の結びつきを強めているが、踊りにおける「見せ場」などはなく、路地や広場、新盆宅前で、徹夜で供養踊りをおこなっている。
すなわち、踊りの場所に重点はおかれておらず、「みんなで供養踊りをする」ということを重視し、地域全体で先祖や故人の供養をおこなっている。
したがって、この供養踊りは地元の人々の日常生活の一部であり、特別なことではないのである。

4-3.特筆点
素朴で地元の人たちが、故人を偲ぶ猟師かんこ踊りと宮踊りのように神社などの「見せ場」で、奉納する祭りも、自分たちが伝統芸能を伝承していくという強い心意気が、地域のコミュニティを築いている点は共通している。
しかし、いずれもかんこ踊りという伝統芸能としながらも、その伝承においては本質的な違いがある。
宮踊りは娯楽要素の強い祭りであるが、猟師かんこ踊りは地域全体で大切に先祖供養するかたちとして伝承している点に大きな違いがある。
しかしながら、娯楽要素の強い宮踊りは、時間のデザインによって「意味ある場所」を空間に創出させ、地域エリアを活性させている点は特筆すべきである。

5.今後の展望
中西智子は、『かんこ踊りの研究Ⅰ』の論文の中で、「三重県はかんこ踊りの宝庫であり、その伝統はそれぞれの地域の人々が共有する思いの表現手段として出発した広汎な文化現象の一つとして位置づけられるのではないだろうか(18)、」と述べているとおりで、長く地域で育まれてきた文化は、まさにその地域の個性であり地域の人にとっての財産である。
しかし、人口減少や少子高齢化、ライフスタイルの変化など、地域社会を巡る状況が大きく変わってきている中で、両事例の活力も衰退傾向にある。
こうしたことから、区実行委員の長谷川会長は、「伝統を伝承することは、歴史を理解することと先人たちの思いを伝えていくことである(19)。」という。
このような思いを未来へと伝承するための挑戦として、区実行委員会は10年ほど前より後継者の育成として、同町内にある中学校で特別授業をおこない宮踊りの魅力を伝えている(20)。
このように、宮踊りが多様な役割を担っていくことは、宮踊りに新たな資源が組み込まれることとなり、結果的に宮踊りを守る手立てとなるであろう。

まとめ
早川克美は、「意図されたモノあるいはコトを創り出す行為がデザインである(21)。」と述べている。これを踏まえると、宮踊りは、時間のデザインによって「意味ある場所」を空間に創出し、人と文化をつなぎ、人と場所をつなげ、人と人をつなげる可能性をもっている価値ある文化資産である。

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    宮踊り
    写真撮影:筆者、2019年8月15日
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    三重県かんこ踊り(盆行事系)一覧表・分布図・かんこ踊りの特徴
    「しゃごま」と「かんこ」の比較表
    三重県史別編民俗より引用作成:筆者作成
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    三重県津市香良洲町・松阪市猟師町の位置
    国土地理院の地図をもとに筆者作成
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    香良洲町住民アンケート調査
    実施日:2022年6月29日-7月7日
    「香良洲町の伝統行事について」聞き取りをする。
    アンケート集計表、筆者作成
  • 81191_011_32183023_1_5_a0565dd4-2354-4cfe-b4e9-0cb145a94c4f_1 【資料5】
    町の空間に「意味ある場所」が存在している。
    普段は気づかれにくい場所もある。
    写真撮影すべて筆者:2020年4月ー2022年12月
    地図筆者作成
    雲出川と雲出川古川の2つの川と伊勢の海に面した香良洲町は空から見ると
    「鳥が翼を広げた」ように見える。

    1.雲出川河口で漁業/シジミ、アサリ、小魚、ボラ
    2.海の家/関西方面を中心に潮干狩りや海水浴客が訪れる/伊勢の海県立自然公園に指定されている。
    3.香良洲町歴史資料館・若桜会館、三重県海軍航空隊予科練/香良洲町の面積の三分の二が訓練場であった。
    4.香良洲神社・資料館/香良洲神社の祭神は、伊勢神宮の祭神である天照大神の妹神、稚日女尊である。
    5.香良洲公園/古くは香良洲神社の神領地であった。総面積4.8ヘクタールの公園内には老松たちが枝を広げている。
    6.海苔小屋/獲る漁から育てる漁へと転換した昭和50年頃の風景が残る。
    7.海抜ゼロメートルの平坦な土地。川口ポンプ場の水門付近。
    8.香良洲梨・幸水 出荷先は名古屋方面/香良洲町特産物
    9.大型船が行き交う。近くに日本鋼管がある。
    10.鯖大使(弘法大師)
    11.創業は万延元年(1860)、今も酒蔵を続けている。三重を代表する地酒‶きげんよし″
    12.登録有形文化財(八太正太夫向い座敷、下の蔵)
    13.浄現寺/寺宝『野袈裟』には永正8年12月8日とある。
    14.古い民家が立ち並ぶ
    15.頭の宮さん/八大龍神
    16.山の神/町内のあちらこちらで見られる。
    17.鮮魚仲卸業者/東日本復興ボランティア活動をおこなっている。




    写真すべて筆者撮影:撮影日2020年4月~2022年12月・地図筆者作成
  • 81191_011_32183023_1_6_0999f061-1892-482f-ae49-76c5c0eeb2ef_1 【資料6】
    宮踊りの巡行経路:傘鉾を先頭に各区を出発し香良洲神社まで氏子たちが練り歩く。
    2時間ほどかけて宮入りする。
    普段は静かな路地である。祭礼のおこなわれる時間は「ハレ」の舞台に一変する。
    その雰囲気に地元の人は酔いしれる。
    風土が創り出す祭りの風景である。
    写真撮影すべて筆者:2023年1月8日
    国土地理院の地図をもとに筆者作成
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  • 81191_011_32183023_1_7_%e5%ae%ae%e8%b8%8a%e3%82%8a%e3%81%a8%e7%8c%9f%e5%b8%ab%e3%81%8b%e3%82%93%e3%81%93%e8%b8%8a%e3%82%8a_page-0004 【資料7】
    三重県下の「かんこ踊り」の特徴・宮踊りと猟師かんこ踊りの特徴比較表
    写真撮影:筆者撮影、2019年8月15日、2022年7月
    香良洲神社地図:筆者作成
    宮踊り太鼓写真:香良洲町町勢要覧引用
    猟師かんこ踊り写真提供:K・Y、2022年8月15日

参考文献

参考文献
〈註〉
(1)香良洲町教育委員会、『香良洲町史』、1993年3月、635頁
(2)三重県津市香良洲町の町内全域と主に香良洲神社を調査する。
宮踊り実行委員会の役員、会長などへの聞き取り調査をおこなった。
香良洲町内の在住者を対象に「地域の文化資産」についてのアンケート調査とインタビューをおこなった。
1992年―2022年、(2020年、2021年、2022年はコロナで中止)宮踊りに参加する。
三重県松阪市猟師町の町内全域と海念寺前などを調査する。
猟師かんこ踊り保存会の西口副会長への聞き取り調査をおこなった。
猟師町在住者へのインタビューをおこなった。
(3)香良洲神社は町の南東部にある。
香良洲神社の鳥居をくぐると、荘厳な森の中に清寂な佇まいの社殿が見えてくる。
本殿へと進んで行くとひんやりとした心地よい空気に包まれる。玉砂利の音と木々の揺れる音が聞こえ、そこに漂う空気はまるで太古から運ばれてきたようである。
境内の大きさは約千坪で、本殿、拝殿のほかに境内社、小香良洲神社、大黒社、稲荷社、浜宮、忠魂社、絵馬殿、厩舎がある。
本殿の左右には社の替地(御遷座地)が東西にあり伊勢神宮と同じ寝殿造りになっている。神域周囲や神域には、杉の木やシャシャンボの木々が生い茂っている。
香良洲神社の祭神は、伊勢神宮の祭神である天照大神の妹神、「稚日女尊」である。
古くから「お伊勢詣りをしてお加良須に 詣らぬは片参宮」といわれ参拝者が絶えなかったといわれている。香良洲神社では一年を通してさまざまな行事がおこなわれている。
(4)町内4地区
小松区:香良洲町の中央に位置し、漁業世帯と兼業農家が多く海苔養殖が行われている。
地家区:雲出川と雲出川古川の分岐点にあり、第二次世界大戦前までは堤防沿いの桜並木は花見客で賑わった。香良洲西山遺跡や常夜灯がある。
砂原区:香良洲町中心部に位置し、漁業世帯が多く香良洲漁協が置かれている。
馬場区:香良洲町南部に位置し、矢野学校(津市立香良洲小学校の前身)や劇場「香良洲座」が存在した。香良洲町の中心としての機能を有し、商店街や津市役所香良洲総合支所がある。
(5)香良洲町教育委員会、『香良洲町史』、1993年3月、635頁
(6)五来重著、『踊り念仏』、1988年3月、185―190頁
(7)五来重著、『踊り念仏』、」1988年3月、95―110頁
京都北区でおこなわれている祭で、今宮神社でおこなわれる大祭である。平安時代の後期に洛中に疫病や災害が蔓延したのは、怨霊によるものとされていた。それらを鎮めるために各所で御霊会が営まれた。花の散り始めるころに疫病が流行したので花の霊を鎮め無病息災を祈願したのが祭りの始まりとされている。
(8)五来重著、『踊り念仏』、1988年3月、186―190頁
竹や細い木を束ねてつくつたもの。楽器や伝統的な大衆舞踊の装身具の一部として用いられる。鎌倉時代にかけて流行した田楽で用いられている。また、神楽でも用いられている。
(9)中西智子「かんこ踊りの研究(Ⅰ)かんこ踊りの文化的背景」、三重大学教育部研究紀要、第52巻、149頁
津市教育委員会、『津市民文化』、2007年3月、102頁
かんこ踊りは、西日本一帯に広く分布している。太鼓踊の一種で、中世に流布した芸能である。特に伊勢国では濃密で江戸時代までは、津久居地域では市街地を除く大半の村々で演ぜられていた。五穀豊穣、疫病退散、精霊の追悼などの祈りを込めた。しだいに風流の傾向を強め、華やかな夏の楽しみとして民間に定着していった。
(10)香良洲町教育委員会、『香良洲町史』、1993年3月、3頁
香良洲町役場企画調整課、『香良洲町町勢要覧』、1999年3月、16ー17頁
(11)宮踊り実行委員長谷川会長へのインタビュー、2022年11月10日
小松区の元区長への聞き取り2022年11月10日
(12)宮踊り実行委員長谷川会長へのインタビュー、2022年11月10日
(13)野村朋弘編、『日本文化の源流を探る』、藝術学舎、2014年4月、51頁
(14)中西昭一・早川克美編、『時間のデザイン―経験に埋め込まれた構造を読み解く』、藝術学舎、2014年3月、128頁
(15)猟師かんこ踊り保存会西口副会長の聞き取りをおこなう。2022年10月25日、2022年11月5日
松阪市史編さん委員会、『松阪市史 史料篇 民俗』、株式会社蒼人社、1981年3月、509頁
青年会が中心となり、猟師かんこ踊り保存会によって護られている。
土地の伝承では、「蒲生氏郷の時代(天正年間)亡くなった人の供養と魚の供養のために始まり、現在まで休まずおこなってきた」とされている。
元猟師町在住者、女性、83歳に聞き取り2022年11月5日
13日の夜8時頃より、海念寺で亡き人の供養のための踊りをおこなう。
その後、新盆精霊の家をまわって踊る。
新盆の家では、仏前を造花で飾り、提燈に火をともし、踊りの一行を迎え入れる。
1時間ほどで2回踊られる。
何軒かまわった後、その日の終わりに魚の供養が、漁業組合の手でおこなわれる。
14日、15日は、新盆の家の供養踊りがある。
両日とも最後に公民館に移され、踊りの輪もひときわ大きくなる。
人々の輪も広がっていく。
これは、うちわを持ったうちわ踊りの人びとの輪が囲むからである。
(16)猟師かんこ踊り保存会西口副会長へのインタビューをおこなう。
2022年10月25日、2022年11月5日
(17)猟師かんこ踊り保存会西口副会長の聞き取りをおこなう。2022年10月25日、2022年11月5日
元猟師町在住者、女性、83歳に聞き取り2022年11月5日
(18)中西智子「かんこ踊りの研究(Ⅰ)かんこ踊りの文化的背景」、三重大学教育部研究紀要、第52巻、150頁
(19)宮踊り実行委員長谷川会長へのインタビュー、2022年11月19日
(20)宮踊り実行委員長谷川会長へのインタビュー、2022年11月19日 
津市立海香中学校文化祭、学習発表会見学、2017-2018年、11月
地元の中学生に技術面として太鼓のしめ方、歴史的なこととして歌本などの説明をおこない、実際にかんこ踊りを踊らせて興味を持ってもらう取り組みをしている。
女子生徒の積極的な参加もあった。
(21)早川克美著、『デザインのまなざし―豊かに生きるための思考術』、藝術学舎、2014年3月、185頁

〈参考文献〉
柳田国男、『日本の祭』、角川文庫、1969年8月
宮本常一著、『忘れられた日本人』、岩波書店、1984年5月
五来重著、『踊り念仏』、平凡社、1988年3月
森田三郎著、『祭りの文化人類学』、世界思想社1990年5月
真野俊和著、『日本の祭りを読み解く』、吉川弘文館、2001年9月
吉本哲郎著、『地元学をはじめよう』、岩波書店、2008年11月
三重県ぎょうせい編集、『三重県史別編民俗』、2011年3月
津市教育委員会、『津市民文化』、2007年3月
香良洲町教育員会編集、『香良洲町史』、株式会社ぎょうせい、1992年3月
香良洲町役場企画調整課、『香良洲町町勢要覧』、香良洲町役場、1999年3月
香良洲町企画調整課、『香良洲町 海と緑としあわせの香りに充ちた町 第三次香良洲町総合計画 後期基本計画』、1998年
松阪市史編さん委員会、『松阪市史 史料篇 文化財』、株式会社蒼人社、1979年12月
松阪市史編さん委員会、『松阪市史 史料篇 民俗』、株式会社蒼人社、1981年3月
松阪市史編さん委員会、『松阪市史 史料篇 自然』、株式会社蒼人社、1977年12月
松阪市史編さん委員会、『松阪市史 史料篇 古代、註』、株式会社蒼人社、1980年6月
平松令三/伊藤達雄監修、『三重県風土記』、旺文社、1989年11月
樋田清砂監修、『津・久居の歴史上巻 津・久居歴史刊行会編』、郷土出版社、1994年8月津市民文化編集委員会、『津市民文化』、津市教育委員会、一誠堂、2007年3月
津商工会議所、津の観光文化を発展させる委員会編集、『ふるさと読本 知っておきたい津』、伊勢印刷出版部、2017年2月
高橋秀雄編、『祭礼行事・三重県』、株式会社おうふう、1995年5月
三重県教育委員会、『平成19年度 ふるさと文化再興事業 三重県の民俗行事報告書3-宮川流域のカンコ踊りと盆行事-』、2008年3月
川口保著、『松阪 まつりの四季』、光出版印刷、2021年3月
野村朋弘著、『暮らしに息づく伝承文化』、藝術学舎、2014年12月
野村朋弘著、『日本文化の源流を探る』、藝術学舎、2014年4月
野村朋弘著『人と文化をつなぐもの』、藝術学舎、2014年12月
早川克美著、『デザインのまなざしー豊かに生きるための思考術』、藝術学舎、2014年4月
中西昭一・早川克美編、『時間のデザイン―経験に埋め込まれた構造を読み解く』、藝術学舎、2014年12月
川添善行著 早川克美編、『空間にこめられた意思をたどる』、藝術学舎、2014年12月
紫牟田伸子著、早川克美編『編集学ーつなげる思考・発見の技法』、藝術学舎、2014年12月
小林留美著、『美学をめぐる思考のレッスン』、藝術学舎、2019年4月

津市教育員会、「DVD香良洲町宮踊り 平成19年8月15日」 2022年12月5日最終閲覧、
「宮踊り(風采踊り)イベント・祭り|津市観光協会公式サイト レッ津ゴー旅ガイド (tsukanko.jp)、2022年7月20日最終閲覧
猟師かんこ踊り:歴史 | 盆踊りの世界 (bonodori.net) 2023年1月25日最終閲覧
松阪歴史探訪・まつり編「猟師かんこ踊り」 - YouTube2023年1月25日最終閲覧

〈参考論文〉
中西智子「かんこ踊りの研究(Ⅰ)かんこ踊りの文化的背景1」、『三重大学教育部研究紀要、第52巻、教育学科』、149-157頁、2001年

井口暁「過疎地域における祭りの終了と再生のメカニズム―三重県神川町「桜祭り」から「桜覧会」」への転換に注目して―」、『京都社会学年報、第27号』、19-44頁、2019年

久岡日菜子「「西条祭り」における伝統文化の現状と継承」、『高知工科大学経済マネジメント学群』、1-7頁

服部未来子・初澤敏生(2021)「地域における伝統的行事の機能と位置づけに関する一考察 : 福島県須賀川市のきうり天王祭を例に」福島大学地域創造 33 (1), 43-57 福島大学 https://cir.nii.ac.jp/crid/1050852637290803840

篠永 信一朗・松村 暢彦・片岡 由香(2020)「祭礼活動の関与度と地域コミュニティに関する意識の関連性」都市計画論文集 55 (3), 1047-1054, 公益社団法人 日本都市計画学会 https://cir.nii.ac.jp/crid/1391412326419778304

山田 歩美・加藤 雅大・有賀 隆(2020)「社会的紐帯としての神社祭礼の形式と運営の変容に関する研究」都市計画論文集 55 (3), 1159-1164, 公益社団法人 日本都市計画学会

段上達雄「祭礼の傘鉾・風流傘3―九州各地の神幸に伴う傘鉾-」、『別府大学紀要第61号』、27‐43頁、2020年

菅野佐織「祭りによる地域ブランド価値共創のフレームワーク~交流する地域ブランドを目指して~」、『Japan Marketing Academy』、15‐29頁、2011年

本多健一「近世後期の都市祭礼における空間構造-京都の今宮祭を事例に―」、『人文地理第64巻第1号』、1-18頁、2012年

迫田俊道「伝統芸の継承についての―考察-広島市における神楽の事例から―」、『大阪商業大学論集第5巻第1号』、609-621頁

〈調査協力〉
対面取材
長谷川静生氏:津市香良洲在住、69歳、男性、(宮踊り実行委員会会長、元踊り子、踊り委員長)
インタビュー日:2022年7月20日、2022年8月13日、2022年11月3日、11月10日、11月13日、12月5日

西口太介氏:松阪市猟師町在住、男性、(保存会副会長、元踊り子)
インタビュー日:2022年10月25日、2022年11月5日、2022年11月13日

津市香良洲町砂原区在住、57歳、男性Y・H、元踊り子、元踊り委員、2022年7月20日
津市香良洲町砂原区在住、31歳、男性Y・Y、元踊り子、現踊り委員、2022年8月15日
津市香良洲町地家区在住、80歳、女性O・K、元踊り子の親、2022年11月10日
津市香良洲町地家区在住、84歳、女性H・K、元踊り子、現踊り委員の親と祖母、2022年7月22日
津市香良洲町砂原区在住、89歳、女性O・M、元踊り子と踊り委員の妻、親、2022年11月10日
津市香良洲馬場区在住、94歳、女性N・F、元踊り子の親と妻、2022年11月14日
津市香良洲馬場区在住、98歳、女性H・K、元踊り子の祖母、2022年11月15日
津市香良洲小松地区在住、94歳、女性K・T、現小松区区長の親、元踊り子の妻、2022年11月15日
津市香良洲小松地区在住、88歳、男性N・K、元小松区区長、2022年7月22日、2022年8月13日

調査期間:2022年7月6日~2022年12月5日
聞き取った方法:インタビュー、対面取材
質問内容:宮踊りの昔の様子.香良洲町の昔の様子.宮踊りの印象.踊り委員の役割.保存会の仕事.猟師町の様子.かんこ踊りの歴史.地域の様子
調査した場所:協力者の自宅・協力者の職場

年月と地域
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