京都

坂上 光男

小面があゆんできた空間の演出と〜其処に秘められた美学へのこだわり〜

はじめに 能は、今から700年前に仮面劇(1)として誕生し、観阿弥・世阿弥親子(2)により大成されたと宇高通成(1947〜)は説く(3)。その能とならんで今に引き継がれた能面(4)...

福田 陽子

NISSHA本館 ―明治期煉瓦造建築の保存と活用-

はじめに 明治期の京都では、近代化を目指していくつかの紡績工場がつくられた。[註1]「京都綿ネル株式会社」(以下、京都綿ネル)の煉瓦造建築群は、現在NISSHA株式会...

古川 佳美

お地蔵さんのあるまち京都~小さな石仏とその祠はまちの姿にどのような影響を与えているか~

筆者の住む京都市は多くの観光客が訪れる町である。2023年は4年ぶりに多くの観光客が戻ってきた。(注1)人々は観光地として有名どころの金閣寺や清水寺、嵯峨野嵐山...

今村 結香

観察からはじまるデザインとまちをつくる共感―「明倫学区に残したい建物」を事例として―

はじめに まちへの共感はどのように形成され、共感から新たな価値を付与された建物は、まちとどのようにかかわっているのだろうか。京都市中京区に位置する明倫学区は、...

高橋 大樹

熊谷和徳が開くタップ・ダンスの未来

1:基本データと歴史的背景 今回私が卒業研究として取り上げたいのは、タップ・ダンサー熊谷和徳の芸術・創作活動である。 熊谷和徳は、現在46歳の日本を代表するタッ...

浦上 恭子

京都平安神宮庭園「神苑」と造園家7代目小川治兵衛

今回、取り上げる平安神宮の庭園「神苑」は、寝殿造式、書院式、枯山水、茶式、回遊式など多種多様な伝統的庭園がある京都において、明治時代に造られた比較的新しい池泉...

江口 浩平

刀の存在―鎌倉古刀の再現に挑む刀匠松田次泰の活動についての考察―

刃物は危ないのか?確かに危ない。しかし、反転して考察すると、危険なものから身を守る役割もあり、一口に「危ないもの」だけでは済ませられない面がある。ときに聞く話...

片野 美樹

明朝体から学ぶ日本語フォントの秘密

はじめに 文字は様々な情報を与え、言葉の知識さえあればそれらを理解することができる。言葉を覚え、読み書きを学習するという教育は我が国では一般的なカリキュラムで...

畑 梅次

京春日「神相撲」が語る千二百年の歴史 ― 薄れてゆく由来 ―

はじめに 京都西山の麓、京都市西京区大原野に鎮座する大原野神社(おおはらのじんじゃ)は「京春日(きょうかすが)」といわれている(資料1)。藤原氏との関わりが深い...

小川 清誠

伝統工芸士の伝統×デジタルとの関わり方

1. はじめに 京都は、日本の伝統工芸にとって重要な場所だ。京都は古くから織物や漆、技法などの技術を磨いてきた地域であり、その美しい伝統工芸は世界的にも知られて...