九州

米屋 勇二

消えゆく伝統的工芸品 ー長崎べっ甲の今ー

1.初めに 長崎べっ甲は長崎県の伝統的工芸品(註1)、経済産業大臣の指定を受けた日本の伝統的工芸品(註2)である。べっ甲とは、海亀の一種で「タイマイ」と呼ばれる亀の...

牧瀬 直子

佐賀錦 お姫様が伝えたキラメキを未来へつなぎたい

はじめに 佐賀錦とは、江戸時代の鹿島鍋島藩より伝わる織物で佐賀県を代表する美術工芸品だ。着物の帯やバッグ、草履などの和装小物が有名であるが、現代では使用頻度...

森田 裕子

沖縄「喜如嘉の芭蕉布」継承のかたちー「本物」という概念をデザインするー

はじめに 沖縄の伝統染織「喜如嘉の芭蕉布」(以下「喜芭布」と略す)では、伝統工芸の価値の問い直しがうまくいっているのではないか。柳宗悦著『芭蕉布物語』(註1)...

桃原 薫

多良間島の年中行事「ウプリ」の現状と継承

1.はじめに 琉球王国として栄え発展してきた沖縄は独特な文化や歴史背景があり、さらに先島諸島は島々で独自の文化を持ち、中でも多良間島には現代まで伝承してきた地域...

池永 隆博

絶海に浮かぶ火山島「薩摩硫黄島」の祭祀と空間デザインについて

はじめに 国土交通省の調べ(令和5年)によると、日本国内には416の有人島があるとされる。日本には、北海道から沖縄県まで幅広く島が存在しており、我が国の海洋資...

柴田 哲也

福岡県立美術館の移転 文化芸術を軸にしたまちづくりへの期待

1. はじめに 2020年1月、福岡県は、老朽化した福岡県立美術館(須崎公園敷地内に所在)(図1)を、福岡市のほぼ中心に位置する大濠公園南側の福岡武道館および日本庭園の...

二村 豊之

国史跡・福岡城址(舞鶴公園) ~郷土愛育む巨城再建と課題~

1.はじめに 現代において城とは地域の郷土愛と歴史のシンボルであり、また石垣、瓦、櫓、堀を含めて日本古来の技術の粋を集めた総合造形芸術であるともいえる。国内外多...

大津 信輔

「佐賀んまちの恵比須さん」 〜江戸時代よりつづく恵比須文化の継続と発展の可能性〜

はじめに 七福神の一柱として知られる恵比須さん。佐賀には商売繁盛の神様である恵比須の石像を祀る風習があり(図1)、佐賀市内だけでも北の山間部から南の有明海近くまで...

照屋 このみ

越境コミュニティの拡大発展を創造する ―デザインの観点からみる「世界のウチナーンチュ大会」―

はじめに 沖縄県は独自の文化を色濃く現代まで伝承してきた地域性〔1〕がある。その要因の一つがコミュニティの形成過程にあると考えられている〔2〕。しかしながら、多...

末村 みゆき

古くて新しい小鹿田焼 -ゆるぎない伝統

1 基本的データと歴史的背景 大分県日田市街の北16㎞の山あいに小鹿田焼の里 源栄町皿山がある。北部九州には文禄・慶長の役で連行された朝鮮人陶工の技術が伝わった...