近畿

志賀 薫

西宮・宮水がもたらした醸造と生活の文化について

1、はじめに 大阪から神戸までの阪神間の真ん中あたりにある西宮。「宮水」は西宮の一部の地域でのみ湧出することからその名が付き、また、その一帯は宮水地帯と呼ば...

光藤 功雄

宝塚音楽学校旧校舎を利活用した宝塚市への観光客誘致

はじめに 宝塚音楽学校旧校舎は、2008年度に近代化産業遺産(註1)として認定されている。本稿では、宝塚歌劇団生徒を多数輩出した宝塚音楽学校旧校舎の歴史と、宝塚市...

田中 繭子

国指定重要無形民族文化財「十津川村の大踊り」

1.はじめに 私の父の郷里である十津川村は、紀伊山地の中央にあり、奈良県の南端・奥吉野に位置する。和歌山県と三重県に隣接し、高峻な山岳と清く碧い十津川の瀞峡(...

佐野 有貴

舞洲工場からみる廃棄物処理施設をはじめとした公共施設のデザイン

1.はじめに 大阪市環境局舞洲工場(以下、舞洲工場)は大阪市此花区に現存する廃棄物処理施設である。デザインはウィーンの芸術家、フンデルトヴァッサーによる。建設当...

太田 智裕

明石市立天文科学館――組み込まれた時のデザインの可能性――

1. はじめに JR山陽本線を西へ明石駅に到着するころ、右手に高くそびえる時計塔が見える。明石市のランドマーク、明石市立天文科学館(以下「同館」という)だ。東経135...

森下 亜紀

滋賀の伝統食「鮒ずし」の継承と変化について

1: 積極的に評価しようとしている点 鮒ずしは魚とご飯を漬けて長期発酵させる発酵ずしの一種で、滋賀県の代表的な伝統食品である。匂いと酸味が強く、慣れない人には...

麻田 裕彦

大阪の渡船

1.はじめに 昭和39年の大阪を紹介する写真集の冒頭に以下の表現がある。 「大阪はそれ自体観光を目的とするような町ではない。それは機能する町であり、生活の場で...

江藤 徳夫

ワンドが創る淀川の景観

1.はじめに 大阪平野を流域とする淀川は治水・利水・利用・環境に対応した改修工事により中流下流 域は全域において人手が加わっている。 木津川、宇治川、桂川の三川...

梶原 照明

「聴竹居」自然エネルギーを生かした環境共生住宅の魅力

はじめに 「聴竹居」は京都帝国大学教授・建築家の藤井厚二(1888~1938)の5回目の自邸として建てられた。天下分け目の合戦で有名な天王山を背後に桂・宇治...

鍬初 梨紗

日本の伝統をデザインする─京都・上羽絵惣における事例の考察─

はじめに 京都市下京区に店を構える上羽絵惣株式会社(以下、上羽絵惣)は、江戸時代から260年以上続く、現存する日本最古の絵具屋である[図1]。歴史ある絵具屋は現在、...