中部

渡辺 明日子

辻占文化の変遷 ~金沢の正月の縁起菓子「辻占」~

はじめに 石川県の金沢市周辺では、正月に家族で辻占をする【資料1-1】。辻占とは、最中の皮や、餅粉でできた花のような小さな菓子の中に「これからよくなる」、「...

小森 晴夫

未来の日本人は「尾張津島天王祭」を見れるのだろうか

はじめに 津島市は、名古屋市の西16㎞にある古い歴史をもつ約6万人のまちだ。600年前から伝えられる「尾張津島天王祭」(以下、津島天王祭)は「山・鉾・屋台行事」のユネ...

遠山 牧人

梅野記念絵画館・ふれあい館  - 己の美を発見する場所 -

1.はじめに 北御牧村(現東御市)における「ふるさと創造の森構想」は昭和63年(1988)に策定された。これは明神池とその周囲の自然環境を守り、それを後の世代に伝え...

藤田 健次

秋野不矩美術館における展示活動について

はじめに 秋野不矩(1908~2001)は、昭和初期から平成にかけて活躍した日本画家である。 戦後間もない頃、「世界性に立脚する日本絵画の創造を期す」と宣言して始まった...

林 佐和子

本業焼と民藝の魅力を今に繋ぐ「瀬戸・ものづくりと暮らしのミュージアム 瀬戸民藝館」

はじめに 愛知県瀬戸市洞地区で江戸時代後期から約250年続く窯元「瀬戸本業窯」が、2022年「瀬戸・ものづくりと暮らしのミュージアム 瀬戸民藝館」(以下、瀬戸民藝館)...

大塚 貴船

受け継がれる日本の伝統技術「からくり」の進化と発展 ー江戸から未来へ、時を刻むからくり人形時計ー

Ⅰ.はじめに 2022年に30周年を迎えた、からくり人形時計『白浪五人男』は、老朽化に伴い「令和の大改修」と言われる全面リニューアルが行われ、現在は建設当時の外観と動...

宮脇 惠子

長岡まつり大花火大会―地域課題を象徴する花火の編集とデザイン―

はじめに 長岡まつり大花火大会には「慰霊」と「平和」、そして「復興」を象徴する花火がある。 本稿では、これらの花火における「意味」の編集とデザインを評価する。...

田畑 香奈

中部電力MIRAI TOWER―電波塔から地域のアイデンティティへ―

はじめに テレビ放送の発展を支えてきた電波塔は、デジタル化や時代の変化の中で、翻弄されつつある存在となっている (1)。名古屋市の中部電力MIRAI TOWER(旧・名古屋テ...

慶伊 心

シビックプライドを高め、県民と共に発展する「富山もよう」について

はじめに 「それまで見過ごしていた足もとのささいなことに目がいくようになっていきます。まなざしの開発です」。これは吉本哲郎著『地元学をはじめよう』に出てくる...

河野 道子

八ヶ岳高原音楽堂「カラマツチェンバロ」 ―久保田チェンバロ工房によるチェンバロ継承の視点―

はじめに チェンバロはフランス革命の動乱を期に破壊され(1)表舞台から姿を消した西欧の古楽器である。 撥弦鍵盤楽器(2)であるチェンバロは、独自の音楽性と意匠...