中部

新谷 光

金沢市が守る武家屋敷の薦(こも)かけ―存続と展望

1,始めに 金沢市長町の武家屋敷群の薦かけ。雪の季節を前に、土塀に薦をかけるのである。このテーマを卒業研究に選んだ理由は二つある。 一つ目は1963年の町名変更...

水野 誠

陶都文芸復興への架け橋となるか-瀬戸ノベルティ文化保存研究会の活動-

はじめに 「せともの」の語源といわれる愛知県瀬戸市には、ノベルティ(資料1)の興隆期があった。「1960年代には瀬戸のノベルティ・メーカーは300社を越え、全国ノベル...

林 敬子

伊那の伝統「昆虫食」が秘める、現代に必要な可能性

長野県南部の伊那谷(いなだに)と呼ばれる、天竜川に沿って南北に伸びる盆地一帯では、昆虫食が今も根付いている。その中から「イナゴ(コバネイナゴ)」「蜂の子(クロ...

藤川 美樹

愛知県北設楽郡に伝わる田峯田楽と歌舞伎奉納 ― 400年前の思いを伝える民俗芸能

1.愛知県北設楽郡の田峯田楽と歌舞伎奉納:概要と歴史的背景 愛知県の北東部、長野県と静岡県との県境にある北設楽郡。その南端に位置する設楽町は標高1000m級の山々に...

生田 太郎

100年以上続くめがねづくりの現状とこれから

1,はじめに メガネフレームの生産量で国内No.1を誇る福井県鯖江市は、日本の眼鏡生産の90%以上のシェアを誇り、イタリアのベッルーノや中国の深圳と共に世界の三大眼...

服部 真由子

揚輝荘〜文化財としての価値と時代に流されないために大切なこと〜

揚輝荘は、名古屋の近代数奇者が建てた別邸である。ベンガラ色の山荘風迎賓館や池に浮かぶ優雅な橋、池泉回遊式の庭などを持つ。街の喧騒をよそに、静かな庭園や建物を楽...

仲野 勲

福井駅前電車通り北地区の再開発事業からみる「ヒト」が都市景観に与える力

1.はじめに 福井県では、2024年春に予定されている北陸新幹線の福井県内延伸開業を控えており、県内のあちらこちらで新幹線建設工事が進んでいる。新幹線の高架橋...

石黒 秀和

農村舞台・寶榮座を活かした、新たな地域づくりへの挑戦 -農村舞台寶榮座協議会の取り組みから考える-

はじめに 愛知県豊田市の紅葉の名勝・香嵐渓から東へ5キロほど入った山間の小さな集落に農村舞台(註1)・寶榮座はある(資料1)。人口減少・高齢化の進む現在の日本社会。...

矢部 恵子

NPO法人 COOL KANAZAWA実行委員会 理事長 総合ディレクター岡本恭子氏による現代的な茶道様式への挑戦

はじめに 伝統文化を後世に継承することは大切であり、そして難しいことでもある。 生活様式の欧米化や人口減少を避けられない日本の課題だ。 茶道は日本が世界に誇る...

大八木 亮

無言館 ~今を生きる私たちへの課題~

長野県上田市郊外。小高い丘の上に建つ「無言館」(図1)は1997年に開館した。太平洋戦争などで亡くなった画学生の作品を展示した美術館であり窪島誠一郎(1941-)の私設...