全国

奥長 滋

現代の民俗文学としての国民的喜劇  ―『男はつらいよ』寅次郎の文化的分析―

はじめに 本稿では、日本映画史上最長のシリーズ『男はつらいよ』を、娯楽映画にとどまらず、文学性・民俗性・社会記録性を併せ持つ文化資産として評価する。主人公・車...

木許 妙子

人形浄瑠璃文楽 -文楽人形の首(かしら)に内包する性根- 

人形浄瑠璃文楽(以下、文楽)*1における文楽人形は舞台道具でありながら、舞台上では人形遣いによって芝居を演じる役者となる。文楽人形の「首(かしら)」*2には人間の...

山川 文子

千利休を源流とする堺の茶文化

1.基本データと歴史的背景 千利休(1522–1591)は、安土桃山期を代表する茶人であり、堺の町衆(商人層)を背景に茶の湯を大成させた人物である(註1)。利休は堺...

川和田 直之

多民族国家マレーシアにおける日本食レストランの普及に向けた取り組みと課題

1.マレーシアにおける日本食普及の背景と課題 マレーシアでは、1980年代に導入された「ルック・イースト政策」を通じて、日本や韓国の成功モデルを参考にした政府主導の...

髙橋 薫

伊能歌舞伎の復興と継承実践にみる地域社会の再生――文化資源化の視点から

1. 基本データと歴史的背景 伊能歌舞伎は、千葉県成田市伊能に位置する大須賀大神の春季例大祭において奉納芝居として古くから上演されてきた郷土芸能である。現在は成田...

南 佳代

知的で豊かな衣生活のために為せる事とは――ファッションの価値向上に努めて――

はじめに 近年、ファッションを学際的に研究する学問分野「ファッションスタディーズ」(1)が盛んである。東大や京大でも講義が行われ(2)、ファッションスタディー...

青田 晶子

ちひろ美術館・東京と絵本原画の価値及び保存について

1.はじめに 近年、絵本原画展は年間約400展が開催され、多くの来場者を集めている[1]。こうした広がりの背景には、1977年に設立された世界初の絵本美術館「ちひろ美...

中井 宏二

京都伝統工芸の京陶人形―伝統と未来

はじめに 「京陶人形」(資料1)は、京都で作られる素焼き土人形の総称であり郷土人形に包含される伝統工芸品である。日本各地の郷土人形の素材は地域特性を生かした土、紙...

駒 祐介

ポーラ文化研究所の活動と今後の展望について

基本データと歴史的背景 ポーラ文化研究所は、1976年の設立以降、化粧を「人々の営みの中で培われてきた大切な文化」と位置づけ、その学術的探求を目的とした機関である...

小澤 啓一

地域寺社におけるコミュニティデザイン支援の可能性について ―《共同体志向》と《内省への支援》を架橋する場としての横須賀市芦名・浄楽寺―

はじめに ― 分断と再接続の時代における「場」のありかた 現代日本社会では、人口減少、地域経済の縮小、家族形態の変容、デジタル化の進展などを背景として、かつて地域...