2020年3月
「吉田の火祭り」富士講御師によるデザインされた鎮火祭について
はじめに 「吉田の火祭り」は毎年8月26日・27日に山梨県富士吉田市上吉田地区で開催される富士山の鎮火祭で、400年以上続く北口本宮冨士浅間神社(浅間神社)・摂社諏訪...
豊多摩監獄の価値とその遺産
中野区では、2020年1月現在、豊多摩監獄の正門の保存の是非についての議論が交わされている。正門が建っている場所に区立小学校の建設が予定されているためである。2018年...
目白ヶ丘教会にみる遠藤新の建築について -師との共同設計作品を手がかりに-
・はじめに 東京の都心に近い目白の住宅地、その角地に尖塔アーチ型の鐘楼を頂く白い礼拝堂「目白ヶ丘教会」が建っている。設計者は遠藤新。日本の建築家であり、帝国ホ...
「青柏祭の曳山行事-でか山」持続可能なイベントデザインの考察
はじめに 石川県能登地方は祭りの宝庫と言われている。なかでも「青柏祭の曳山行事 でか山」(以下「でか山」*1と略す)は引手として誰でも参加が可能で春の訪れと共に...
ミラノ・ピッコロ座についての歴史的意義
1.はじめに ミラノ・ピッコロ座は、イタリア・ミラノにある市立劇場、および劇団である。1947年にG.ストレーレルとP.グラッシによって創設された。日本を含む、多くの...
郷土の誇り名古屋城本丸御殿の障壁画~400年前の輝きを今に~
1.はじめに 「尾張名古屋は城でもつ」といわれる名古屋城は名古屋市役所や愛知県庁などが存在する官庁街にあり、名古屋のシンボルとして観光客や市民に親しまれている...
次代に繋ぎたい「名古屋のモザイク壁画がつくる景観」 ~日常空間に溶け込み、彩る 矢橋六郎作品~
■概況 私の生まれ育った街、名古屋は「モザイク壁画の街」と言っても過言ではない 地下街の通路、ビルの外壁やロビーなどに大理石やタイルを使った「モザイク画」が数...
市民の創造力を生かす・まちづくりの空間 文化交流施設 群馬県「太田市美術館・図書館」のデザインについて
図書館は、市民にとって日頃から自由に利用できる空間であり、中心市街地へ立地すれ ば、コミュニティーの「シンボル的な役割」〔註〕が期待できる。また、美術館やカフ...
「福岡市赤煉瓦文化館」の文化資産から考える建築保存
1.はじめに 建築保存とは何か。その問いに対して、古代に造られた建物の保存を主に考えるかもしれないが、令和という時代を迎えて、近現代の建物に焦点をおき、福岡市赤...
横浜のランドマーク・旧横浜正金(しょうきん)銀行本店本館・神奈川県立歴史博物館
1.はじめに 私が居住する横浜市中区は「みなと町よこはま」として知られているが、その横浜港は1859年(安政6年)に開港して以来、常に日本を代表する国際貿易港...