2020年3月

古川 秀子

「用賀プロムナード(いらかみち)」 ー 駅から美術館へと続く道の可能性 ー

1. はじめに 東急田園都市線用賀駅から世田谷美術館までのアプローチとして用賀プロムナードがある。いらか(瓦)を取り入れた造形が並ぶ道であり、地域住民からは「いらか...

藤川 真一郎

横浜市都筑区荏田町真福寺の釈迦如来―そのルーツをたどる―

1.荏田真福寺の釈迦如来立像 私の住まいの近く横浜市都筑区荏田町に真福寺という寺があり、ここに安置されている釈迦如来立像が、この地域では唯一の国の重要文化財と...

花岡 菖

水彩画家丸山晩霞の作風の変化と「荒廃した絵」の再評価

1. 序論;時代背景と基本データ 明治以降,日本に西洋文化が急速に流入した.この時期に活躍した水彩画家丸山晩霞(1867-1942)は西洋文化の影響を受けながら,日本水...

若林 陽子

永遠の杜、明治神宮 -百年後、千年後を見据えた森造り-

1. はじめに 地下鉄の明治神宮前駅、そして山手線の原宿駅のほど近く、大木と共に、大きくも静かな存在感を放つ鳥居が佇む。明治神宮の表玄関である南参道口にある第一鳥...

青木 恵

江戸から続く信仰 やくよけ祖師「堀之内のおそっさま」堀之内妙法寺

1【はじめに】 東京杉並・堀ノ内の妙法寺は、江戸時代より将軍たちから庶民まで厄除け祖師として信仰を集めてきた。葛飾北斎(日蓮宗信者)、安藤広重、高山彦九郎など参拝...

家志 幸太郎

長谷観音は何故これほどまでに信仰されてきたのか

(1)はじめに 大和国長谷寺は、西国三十三所観音霊場のひとつである。長谷観音は、『源氏物語』などの平安文学にも数多く語られ(註1)、露の五郎は、お伊勢参りの代...

飯野 隆

箱根関所-景観のもたらす江戸防衛の秘策

1:はじめに 2018年8月、芸術教養講義3の課題である空間を調査するために箱根関所を訪れた時、関所の景観がもたらす心理的な抑圧を感じ(資料1)、関所の景観に大きな興...

藤田 多朗

焼き物の街京都東山の歩み(京焼・清水焼)

はじめに 京焼・清水焼は「経済産業大臣指定伝統工芸品」及び「京都府知事指定伝統工芸品」に認定されている。 北から知恩院、八坂神社、清水寺、南では泉涌寺、東...

西出 幸子

「チームラボボーダレス」のマジック:日本美術の伝統の継承と発展

はじめに チームラボは2011年に学生ベンチャーとして設立され*1、世界各地でデジタル技術を駆使したアート作品を発表してきた。2018年には、東京お台場に常設の「森ビル...

中嶋 克己

伊豆半島ジオパーク「三島が誇る大地の恵」と「富士山からの湧水の恵」

はじめに 三島市を含む伊豆半島は日本の他の地域と異なり、フィリッピン海プレートの上にあり、南の海底火山であった。フィリッピン海プレートは火山活動と土地の隆起に...