2019年3月

麻田 裕彦

大阪の渡船

1.はじめに 昭和39年の大阪を紹介する写真集の冒頭に以下の表現がある。 「大阪はそれ自体観光を目的とするような町ではない。それは機能する町であり、生活の場で...

佐田 春男

愛知県春日井市 「内々神社」と「内々神社庭園」、さらに隣接する「内津妙見寺」における「神仏習合」についての考察

はじめに 愛知県春日井市の東部に位置し、さほど規模の大きな神社ではないが、歴史が古く、素晴らしい日本庭園があり、秋には紅葉が綺麗で知られる内々神社(うつつじ...

杉之原 明子

有田焼、次の100年をつくる地域ネットワークについて

はじめに 有田は、佐賀県西部に位置する、言わずと知れた焼物の町である。有田焼の歴史は400年に及ぶ。磁器生産が本格化した江戸時代以降、有田千軒と呼ばれる町並みが...

平田 晴美

「岐阜和傘」~長良川プロダクト再興の可能性にかける~

はじめに 岐阜の伝統工芸品として名高い「岐阜和傘」。岐阜市は現在日本国内で生産されている和傘の8割を生産している日本最大の和傘産地である。 2018年5月にオープン...

山本 真希

「寄木獅子頭」造りから学んだモノづくり

1. はじめに 私の生まれた愛知県刈谷市では、寄木(よせぎ)獅子頭を造る職人が存在する。一木造りから作る獅子頭職人は全国にいるが寄木造りで作る職人は少ないとされる...

渡辺 江梨子

ランドスケープとしての「紅テント」ー新宿・花園神社境内での上演活動にかかる考察ー

1.はじめに 新宿の総鎮守である花園神社の境内に、突如として真っ赤なテントが出現する。筆者は 2018 年 5 月に劇団唐組が上演した『吸血姫』で、初めて「紅テント」と呼...

小林 律子

「上野三碑」 未来への情報遺産

1、はじめに 上野三碑は1300年程前、群馬県(古代・上野国)高崎市南西部に半径約1.5kmの範囲に近接して建立された日本最古の石碑群である。現存する古代日本...

會澤 香

相模人形芝居とともに生きるひと・女流義太夫の日常から見る口承文芸ー未来へつなぐ想いー

はじめに 本稿は、神奈川県厚木市を中心に活動している女流義太夫[1]竹本土佐子師(以下、土佐子師匠と呼ぶ)の上演活動を通じて地域芸能と地域社会の関係を考察するもので...

吉田 真太

トニー・ゴールドマンと米国フロリダ州マイアミ市ウィンウッド地区の芸術産業集積

<基本データ> フロリダ州は、米国本土の東南部から南に伸びるフロリダ半島を主体とし、同半島は東岸と西岸でそれぞれ大西洋とメキシコ湾に接している。同州は米国本土...

黒田 見友君

隅田川テラスは地域に賑わいと親しみを提供できるか

1. 隅田川および隅田川テラスの概要 隅田川は東京都北区の岩淵水門から南東方面へと東京湾まで続く一級河川であり、北、足立、荒川、墨田、台東、江東および中央の7区を...