2019年3月

渡部 結花

人々の暮らし・伝承が織り成す「歴史民俗」からの学び~歴博から考える過去・現在・未来~

1.はじめに 「歴博」(れきはく)の略称・愛称で知られている「国立歴史民俗博物館」(以下「歴博」)は、日本の歴史民俗をテーマに総合的に研究・展示を行う国立博物...

岡野 佐知子

台湾からやってきた道教廟 聖天宮

1.はじめに 埼玉県坂戸市にある道教廟聖天宮を取り上げる。 日本の寺社を見慣れた目には、一目見た途端にその景観の異質性が感じとれるだろう。躍動的な造形と色彩...

木村 美佐子

伊勢型紙~伝統技術への思いと継承のためのアプローチ~

1 基本データ <伊勢型紙とは> 着物の柄や文様を染めるのに用いる型紙のことで千年余りの歴史を持つ伝統工芸用具である。楮(高知・栃木産)から作られた和紙...

木村 美奈子

榛名神社― 大地との融合―神秘の空間

1. はじめに 本稿では、群馬県高崎市にある榛名神社が大地と見事な融合により建設されていることに観点をおき、その融合性を検証・考察し報告する。大地との融合によ...

屋良 イナコ

那覇新都心・おもろまち―都市空間デザインが齎すまちの可能性―

はじめに 12月下旬に著者は、おもろまちに出向いた。 本稿テーマ「那覇新都心・おもろまち」とは、沖縄県の再開発地区・那覇新都心の中心部を形成する新しい街の名称...

佐野 有貴

舞洲工場からみる廃棄物処理施設をはじめとした公共施設のデザイン

1.はじめに 大阪市環境局舞洲工場(以下、舞洲工場)は大阪市此花区に現存する廃棄物処理施設である。デザインはウィーンの芸術家、フンデルトヴァッサーによる。建設当...

太田 智裕

明石市立天文科学館――組み込まれた時のデザインの可能性――

1. はじめに JR山陽本線を西へ明石駅に到着するころ、右手に高くそびえる時計塔が見える。明石市のランドマーク、明石市立天文科学館(以下「同館」という)だ。東経135...

大門 留美

宇宙科学博物館コスモアイル羽咋

はじめに 石川県羽咋市には、「宇宙科学博物館コスモアイル羽咋」(以降、"コスモアイル"と表記)という施設がある。観光・文化・生涯学習施設を兼ねた羽咋市の複合型施...

森下 亜紀

滋賀の伝統食「鮒ずし」の継承と変化について

1: 積極的に評価しようとしている点 鮒ずしは魚とご飯を漬けて長期発酵させる発酵ずしの一種で、滋賀県の代表的な伝統食品である。匂いと酸味が強く、慣れない人には...

川戸 笑子

池子囃子の存続と楽譜の工夫

1.はじめに 神奈川県逗子市池子にある神社「池子神明社」では、毎年夏祭りが行われている。夏祭りの目玉は、神輿と山車の渡御である[*1,写真1]。お囃子で使用する山車...