2020年9月
信州姨捨山ー棚田の景観財の評価と考察
1 はじめに 信州姨捨山の棚田は「田毎の月」と呼ばれ名勝地として知られている。「田毎の月」とは、16世紀後半に山の斜面を地形に沿って階段状に開墾しつくらた水田...
金山杉とロマンチックな景観―――どこにでもあった、小さな町
1 基本データ―金山町は「杉のふるさと、雪の降る町、木のすまい」 金山町は、山形県の東北部、栗駒国定公園に位置し、トンネルを抜ければ、そこは秋田県という山深いと...
台湾の産後ケア文化 坐月子
・はじめに 中国・台湾などの中華圏や韓国に広くみられる産後すぐの過ごし方として「坐月子」とよばれる風習があり、これに従って産後を過ごした女性は産後の身体の回復...
舞洲工場の文化資産を考察する
1. はじめに 大阪市舞洲工場は竣工してから20年が経過する。建設当初から物議を醸し、酷評もされてきた。それは通常の工事費よりも高かったことと、従来の建物のイメ...
手仕事の合間に語られた物語 ーマレーシア・サラワク地方の民間説話の収集・継承におけるハイディ・ムーナン氏の取組みー
本稿は、ハイディ・ムーナン著「サラワクの民間説話」(Heidi Munan ”SARAWAK FOLKTALES”)(註1)とムーナン氏へのインタビューをもとに、マレーシア・サラ...
アートとホテルの関係性において、有意義なコミュニケーションが生まれる可能性
はじめに 東京都汐留にある「パークホテル東京」のアートを活用した取組みを調査。 地域活性化事業でアートを使用している、新潟の「越後妻有大地の芸術祭」の取組みを...
地域の文化資産として古墳群で美術展を ~池田山麓物語・願成寺古墳群美術展を例に~
はじめに 文化庁の調べによれば、全国には約16万基の古墳が確認されている。岐阜県内では5,110基が確認され、そのうち3,973 基が現存する[1]。岐阜県下最大級の群集墳...
枚方の人形劇活動と地域性についての考察
はじめに 大阪と京都の間に位置する大阪府枚方市(ひらかたし)は、昭和30年代以降に宅地開発が進んだベッドタウンである。筆者が住む枚方について調べはじめた半年前に...
ヨーロッパの街並み~天神地下街の空間造形について~
1.はじめに 福岡市中央区天神は、九州の商業の中心地であり、百貨店や専門店がコンパクトに集中、大都市に比べ徒歩での買い物がしやすい場所である。(1)[資料1] 天...
『中野サンプラザ』-消えゆく昭和の名建築-
1.はじめに 中野サンプラザは、中野駅前に建つ複合文化施設である。白い三角形の外見とともに、中野のランドマークとして多くの人に愛されている。コンサートホールが...