2023年9月
小田原「江之浦測候所」-景観と一体となった美術空間-
はじめに 2017年に神奈川県・小田原市に開設された「江之浦測候所」は、現代美術家の杉本博司氏によって構想・設計された、杉本氏設立の小田原文化財団の活動拠点と位置...
観察からはじまるデザインとまちをつくる共感―「明倫学区に残したい建物」を事例として―
はじめに まちへの共感はどのように形成され、共感から新たな価値を付与された建物は、まちとどのようにかかわっているのだろうか。京都市中京区に位置する明倫学区は、...
山梨県立図書館から考える今後の図書空間のあり方について
1.はじめに 今回は、山梨県甲府市にある山梨県立図書館について取り上げ、県立図書館という空間のあり方について考える。基本的運営方針にも記されている通り「山梨県民...
伝統文化を繋げていくということ 〜 はままつBABY BOX project というかたち〜
人々の暮らし方や価値観が急激な変化を遂げている今、伝統と呼ばれるものを次の時代に繋げることが難しくなってきている。私たちは「伝統」をどう扱うべきなのか、静岡県...
世界へ警鐘を鳴らし続ける太陽の塔
1.はじめに 大阪府吹田市にある万博記念公園内にそびえ立つ70メートルの太陽の塔(写真1)(写真2)。人間が手を広げているようにも見える塔の正面には現在を表す「...
美しい国づくり推進室によるカントリー・アイデンティティの形成手法について
0.はじめに 2007年、「美しい国、日本」というスローガンを掲げ、日本の理念、目指すべき方向を模索するプロジェクトが日本政府内にあった。それが「美しい国づくりプロ...
映像制作集団「分福」の活動から、日本の映画制作の変容を考察する
はじめに 日本における映画制作は現在どのような時期にあるのか。映画監督の是枝監裕和氏(1962年-)は「action4cinema 日本版CNC設立を求める会」で映画制作の支援を統...
お雇い外国人ウォートルス設計の建築が残る「桜之宮公園泉布観地区」の空間デザイン
はじめに 水都と呼ばれる大阪を水運により発展させてきた大川の川沿いには、4.2㎞に渡り桜の名所でもある毛馬桜之宮公園が広がっている。「桜之宮公園泉布観地区〔資料...
熊谷和徳が開くタップ・ダンスの未来
1:基本データと歴史的背景 今回私が卒業研究として取り上げたいのは、タップ・ダンサー熊谷和徳の芸術・創作活動である。 熊谷和徳は、現在46歳の日本を代表するタッ...
人を結び付ける「街」――<ゆいの森あらかわ>の滞在型空間
はじめに <ゆいの森あらかわ(以下ゆいの森)>は「人と人、本と人、地域と人、文化と人が結びつき、楽しみ・学び・安らげる、豊かな森のような施設」をコンセプトと...