2024年3月

小高 和代

文化芸術の新発信地における建物の「らしさ」表現の重要性について -宝塚市立文化芸術センター-

はじめに 兵庫県宝塚市は兵庫県南東部に位置し、北側には長尾山山系、西側には六甲山系の山並みに囲まれている。その山並みの中央である市の中心地を武庫川が流れ宝塚独...

中村 克也

市区町村立美術館のあり方を板橋区立美術館を通じて考える

1、はじめに 1970年代から90年代にかけて多くの公立美術館が作られた。近年設備更新時期を迎えるが、その必要資金を議会等で確保する際に改めて地域における公立美術館...

山口 幸代

ゴンド・アート ~語る民族が見いだした新たな伝承の形~

はじめに インドには700以上の指定部族が存在し(1)、その多くに伝承される民族特有の工芸、美術がある。しかし、近年ではインドの西洋化による価値観の変化、近代化によ...

緒方 清悟

「くどやま芸術祭」開催で広がる、まちなか再生の可能性と持続可能な賑わいづくりについて

【はじめに】 2000年に「大地の芸術祭 [1]」が開催されたことで、芸術祭による地域の活性化が注目されている。過疎・高齢化が進む地方で現代アートを見せるイベントは...

米屋 勇二

消えゆく伝統的工芸品 ー長崎べっ甲の今ー

1.初めに 長崎べっ甲は長崎県の伝統的工芸品(註1)、経済産業大臣の指定を受けた日本の伝統的工芸品(註2)である。べっ甲とは、海亀の一種で「タイマイ」と呼ばれる亀の...

宮内 裕文

装身具変遷を記憶に留める『アクセサリーミュージアム』の存在

はじめに 「装身具」は人が身を飾り装うための道具で、首飾り・腕飾り・耳飾り・髪飾りがある。日本の「装身具」は縄文時代に始まり、魔除け・護身といった呪術的な意味...

大村 真理子

カンボジアのハーブの恵みを通じた「誰一人取り残さない」デザインが開く可能性

はじめに 本稿では、カンボジアのハーブティーブランド「Demeter(デメテル)」の企業活動において、特に農村部に住む女性たちとの協働における生産プロセスに着目しなが...

阿部 佳代

「子ども造形パラダイス」―記憶財産に込められた可能性

はじめに 「子ども造形パラダイス(以下「造パラ」と表記)」は、愛知県豊橋市で開催される、造形作品の野外展示の名称である。多くの豊橋出身者は、小中学生の時に作品...

福田 佳子

下町の遊園地「あらかわ遊園」 地域の人々とのコミュニケーションをつなぐデザインの思考

1.はじめに 東京都荒川区は下町情緒の残る街である。東京に唯一残る路面電車の都電荒川線は区内の中央部を東西に走り、地域の人々の足としての利用はもちろんのこと、...

青野 賢次

豊橋市まちなか図書館の優れたデザインと、設備計画策定のプロセスに関する考察

1.はじめに 豊橋市まちなか図書館は愛知県豊橋市の駅前の、複合施設内にある図書館である。この図書館は地域の多目的施設として活用できるよう、地域住民の意見やニー...