2023年3月

前田 寛

二つの走井餅の歴史と目指す未来

1、はじめに 京都府八幡市には走井餅という、餅の中にこしあんが入った白い餅が売られている。 その餅は、ほとばしる水滴を表した形、刀の荒身を模した独特の形と言わ...

仲野 勲

福井駅前電車通り北地区の再開発事業からみる「ヒト」が都市景観に与える力

1.はじめに 福井県では、2024年春に予定されている北陸新幹線の福井県内延伸開業を控えており、県内のあちらこちらで新幹線建設工事が進んでいる。新幹線の高架橋...

照屋 このみ

越境コミュニティの拡大発展を創造する ―デザインの観点からみる「世界のウチナーンチュ大会」―

はじめに 沖縄県は独自の文化を色濃く現代まで伝承してきた地域性〔1〕がある。その要因の一つがコミュニティの形成過程にあると考えられている〔2〕。しかしながら、多...

小田長 篤

都市公園の価値-隅田公園

はじめに 都市公園の価値は、時代とともに変遷し続けている。東京都墨田区の隅田公園を例に都市公園が、どういった価値へ変わろうとしているのか、法律や制度、墨田区の...

高橋 敏広

川場村の自然と農が紡ぐ“ふるさと景観”と、その村づくり

1.はじめに 関東平野の北部に位置する群馬県は、総面積の64%が森林地帯で、県境に2千m級の山脈が連なる。その山脈を背後に抱く「山の辺」には、「小さな自治体(村)...

菅原 亮

相模の大凧についての文化資産評価報告書

1. 相模の大凧について 基本的データと歴史的背景 相模の大凧は天保年間から続く相模原市の伝統行事である。 元来は男子の誕生を祝った個人的な行事から始まり、地域...

犬飼 俊行

ホビー・プレスの扉を開く 大阪Echos(エコース)の取組み

1、はじめに (1)本稿のねらい 15世紀中頃にドイツのグーテンベルク(Johannes Gutenberg、c.1398〜1468)によって実用化された活版印刷術は、20世紀後半まで印刷産...

田邉 美緒子

市民が編集した歴史地区「いなげ八景」 ―地域文化・アートの拠点「千葉市民ギャラリー・いなげ」で醸成されるシビックプライド―

はじめに 千葉市稲毛地域に、「いなげ八景」(資1・2)がある。これは「千葉市民ギャラリー・いなげ」(以下ギャラリー)(1)に集う地域住民が、稲毛地域を歴史地区という切り...

谷口 美和

韓国・釜山の「愉快な復讐」を名乗る人々

1、基本データと歴史的背景 釜山に「チェミナンボクス(재미난복수)」という団体がある。金井区にてオルタナティブ・スペースを運営しながら、アートや音楽を軸とした...

前川 真理子

華僑城文化創意園OCT-LOFT―旧工業区を再生した街並み―

はじめに 中国南部に位置する広東省深圳市は、現在は高層ビルが立ち並ぶ世界有数のハイテク都市にへと発達しているが、古くは製造業の町として栄え、全国各地から仕事を...