2022年3月

及川 智恵

「生きづらさを感じる人を支える」ココロまち診療所のつながりのデザイン

0.はじめに 古民家を改装した平屋の建物、周囲は畑や竹林。神奈川県藤沢市のココロまち診療所は、一般的な医療機関のイメージとは大きく異なっている(資料1)。「生き...

櫛田 洋一

多賀城の民話と伝承活動~新たな時代の民話とは何か~

1.はじめに 民話の範囲は、研究者や語り手によっても異なるが、ここでは日本民話の会を参考としたい。日本民話の会運営委員の松谷みよ子氏は「昔話、伝説、世間話をひっ...

末村 美紀子

十八代目中村勘三郎を伝説として

はじめに 2012年12月27日、ファンを含めて約1万2千人が築地本願寺に参集して18代目中村勘三郎の葬儀が行われた。まだ57歳だった。盟友の10代目坂東三津...

伊藤 みゆき

下北沢という居場所——「まち」と「人」の相互影響に関する考察——

1.基本データ ・駅所在地:東京都世田谷区北沢2丁目 ・鉄道路線:小田急小田原線、京王井の頭線 ・該当地域:東京都世田谷区北沢、及び代沢・代田の一部 ・カルチャ...

川崎 洋介

浅川の花火―供養花火として継承される伝統と持続可能性―

はじめに 福島県南部にある人口6千人強の浅川町では、毎年8月16日に花火大会が開催され、町内はもとより近隣市町村からも多くの見物客が訪れる。全国各地で行われる花火...

田中 晃

創業者の志に見る和文化の継承ー聖地「牛久シャトー」の復活ー

はじめに 日本ワイン誕生の地が、ここ「牛久シャトー」にある〔図1〕。民営における厳しい経営環境のもとで、その聖地での消えかけていた和文化の灯が行政の力で再び復活...

高瀨 多佳子

3つの武蔵野市立図書館の「空間」と「場所性」 ──戦禍からの保護・風俗街との対峙・「住みたい」図書館──

はじめに 夕方、勤め帰りの人が次々と図書館「武蔵野プレイス」[3]に入っていく。昼下がり、広場の繭型椅子に親子がいる。見上げると建物の窓も繭型だ。 筆者はこの空...

佐藤 みどり

地域に愛される 「神奈川県立図書館・音楽堂」 前川國男が追い求めた空間

はじめに 横浜のJR桜木町駅からすぐの紅葉坂を登ると、小高い丘に神奈川県立図書館・音楽堂がある。1年半に渡る建設工事を経て1954年に完成し4日後に落成開館式が盛大に...

徳田 明紀子

「未来にむけた器と食のデザインプロジェクト 〜USEUM SAGA〜」

1.はじめに アネモメトリの特集#33「状況をデザインし、好循環を生みだす」で取り上げられた、有田焼とまちのプロジェクトに強い関心を持った。私自身が料理や食器が...

菱沼 哲明

埼玉県白岡市における白岡遺産活用の一考察 「スタンプラリーでデザインする」

はじめに 文化庁による「文化財保存地域計画」が改正され、新たに制度化された。これまで、国や県の指定文化財を中心に保存や活用されてきた。しかし、この計画は、それ...