2024年9月

後藤 宣正

熱田の杜と歴史的資源を活かして未来へと繋ぐ

地元の人達からは「あつたさん」と呼ばれ、皆さんに慕われる熱田神宮。最近は、コロナ禍の関係で年間の参拝客は減っているが、コロナ禍以前は700万人超えというデーターが...

中川 悟志

堺打刃物伝統の技術継承と発展への挑戦

1、はじめに 人類が初めて創り出した包丁の歴史は、アフリカ・タンザニアで発見された約180万年前の打製石器に遡る(註1)。石器包丁は、磨き上げてより鋭利にする技術で...

二宮 千佳

「弥栄神楽座」新しい伝統神楽のデザインと継承

はじめに 福岡県嘉麻市にある射手引神社では、伝統神楽のない地域に新たな伝統神楽をつくるため「弥栄神楽座」(1)を立ち上げ、今年で10周年を迎える。本稿では、神楽創作...

河村 禎二

ゆるやかな都市祭礼を持続させるもの〜雑司が谷鬼子母神御会式の考察〜

はじめに 都市の祭礼には、どのような特質があるのか。稲葉陽二は、村の祭礼と都市祭礼との違いとして、「自発的なつながり」「ほどよい閉鎖性」「定時性」の3点をあげ...

浅井 光太郎

高岡市の勝興寺—一向一揆の中核から浄土真宗有数の寺となり国宝に至った戦略—

1.本報告の概要 — 基本データ 勝興寺は富山県高岡市伏木にある浄土真宗の寺である。勝興寺の前身は1471年に創設され、戦国時代は一向一揆の中核であった。1584年...

小林 和香子

茶の湯と現代教養についての分析 〜リスキリングから見直される茶室空間のリベラルアーツ〜

はじめに 水戸市中央部にある千波湖を眺める偕楽園内に位置する、歴史的建築物の一つである好文亭[1]。水戸藩第九代藩主、徳川斉昭[2]によって設計された武士の風格漂う...

津田 真実

Harmony project(舞踊・芸術プロジェクト)と、プロジェクトの作品:“瀬織津姫の復活”から考えるこれからの舞踊と芸術の世界。

拠点地:メキシコ、モンテレイ プロジェクトの規模:プロジェクトの内容によるが、約13~14人 1.舞踊、バレエの基本データと歴史的背景、Harmony Projectの概要 2.事...

中村 風太

「DANCE BOX」と新長田の地域が一緒にダンスしてできること

はじめに) 神戸市長田区は、1995年に発生した「阪神淡路大震災」で、倒壊・火災など、被害が甚大だった地域だ。神戸市の誘致で、14年後のJR新長田駅エリアに劇場を開いた...

大和田 勝男

幕末の開港後、横浜は漆器の特産地であったことの意味を探る。

1. はじめに 先ごろ開かれた「近代輸出漆器に関する展覧会」(註1)では、横浜の開港後、静岡(駿河)および会津など各地で作られた漆器家具が横浜から輸出されていたこ...

花岡 悠子

「打出だんじり」つながりのデザイン ―地域文化継承のかたち

はじめに 2023年夏、打出天神社の夏祭りで打出だんじり[資1]を目の当たりにした筆者は、感銘を受けた。各地で地域文化が消滅していく時代に(1)、なぜ打出だんじりは伝...