2018年3月

渡辺 未紀

稲荷ずし縁起―埼玉・妻沼に伝わる江戸の稲荷ずしに関する一考察―

はじめに 天清浄地清浄 六根清浄 祓いたまえ 清めたまえ 一本が十六文 ヘイヘイ ありがたい 半分が八文 ヘイヘイ ありがたい 一切れが四文 サアサア あがれあがれ ...

手塚 正男

「樽ヶ橋エリア」の越後胎内観音像 ー込められた思いー

はじめに 新潟県胎内市に住み26年目になるが、なぜ観音像があるのかさえ分からなかった。そして、仕事で何度も通っているにもかかわらず、その存在すら気にもかけない...

宮坂 絵美

Dazzling Pigment / まばゆい顔料

1はじめに 色彩から音や、香り、温度などを感じる時、人の感覚は鋭く研ぎ澄まされている。絵を描く時も同様に、色や形と対話しながら、一番心地いい形や、魅力的な色を...

橋井 杏

竹山道雄の紀行文『西の果ての島』の地域的芸術活動の観点からの評価報告

1. はじめに 児童文学『ビルマの竪琴』の著者・竹山道雄(1903-1984)が長崎県五島列島の最西端にある「嵯峨ノ島(さがのしま)」を訪れたのは1960年(昭和35年)5月16日...

小林 桃子

築地市場の建築デザインがもたらしたもの

東京都内に11か所ある東京都中央卸売市場の1つ「築地市場」は、1935年に開設された国際水産業の中心地として世界的に有名である(写真1、2)。2015年には43万6274トン、4401...

小林 範仁

「輪っぱ」がつなぐ生活文化

1.はじめに 「輪っぱ」とは、曲物(まげもの)の俗称であり、檜、杉、エゾ松などを薄く削った片木板を筒状に曲げ、合わせ目を山桜の樹皮などで繋いで底板をはった容...

三木 京志

京都の新しい和菓子づくり

1.事例の何について評価しようとしているのか 京都紫竹にある和菓子店青洋(以下「青洋」という)の店頭販売は、月に3日間のみである。老舗がひしめく京都で、インディ...

髙谷 美華

吹きガラス職人 木村直樹の制作活動、及び作品「小樽緑青硝子」について

・基本データ 木村氏は、北海道小樽市の祝津という観光地から少し離れた場所に、『株式会社 Kim Glass Design』というガラス工房を構えている、代表取締役兼宙吹きガラス...

長谷川 倫与

ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)における建築保存の意義と未来

はじめに 本建物のある芦屋市は、日本屈指の高級住宅地として知られている。明治末期の大阪は「東洋のマンチェスター」と比喩される工業の発展を遂げ、大気汚染、水質汚...

等々力 弘文

愛恵まちづくり記念館―モニュメンタルな福祉・教育デザイン―

1、はじめに 東京都足立区にある、「関原の森・愛恵まちづくり記念館」は、地域の行事やサロン活動を開催するなど、区のまちづくり事業の拠点施設である。 この建物は...