2025年3月

石本 まどか

高尾599ミュージアム 高尾山の豊かさを伝え、未来に残していくために

1. はじめに 私が居住する東京都八王子市には、観光スポットとしても人気を誇る高尾山が位置している。そのふもとで2015年に開館したのが、高尾山の魅力や情報を伝える...

桂川 祐太郎

「トーキョーアーツアンドスペース本郷」‐復興建築の保存と活用‐

はじめに 本稿では、文化資産の保存と活用の事例として「トーキョーアーツアンドスペース本郷」の建築物と活動を取り上げ、文化資産評価報告書を作成する(写真1)。また...

遠山 牧人

梅野記念絵画館・ふれあい館  - 己の美を発見する場所 -

1.はじめに 北御牧村(現東御市)における「ふるさと創造の森構想」は昭和63年(1988)に策定された。これは明神池とその周囲の自然環境を守り、それを後の世代に伝え...

森田 佳恵

くめがわ電車図書館における文庫活動の考察~電車という空間がもたらす付加価値のデザイン~

はじめに 東京都東村山市にあるくめがわ電車図書館(写真1)は、引退した西武鉄道の車両(1)を使用した地域文庫である。住宅街に置かれた黄色い電車は目を引く存在感が...

喜多村 剛生

北加賀屋クリエイティブ・ビレッジ(KCV)構想にみるアートによる創造的まちづくり   ―企業メセナによる創造経済とソーシャルグッドの実現―

はじめに 近年、まちづくりの手段として、アートを活用する所謂「アートプロジェクト」は全国的にみられるようになった。しかし行政が大きく関わる大規模な芸術祭*1を除...

藤田 健次

秋野不矩美術館における展示活動について

はじめに 秋野不矩(1908~2001)は、昭和初期から平成にかけて活躍した日本画家である。 戦後間もない頃、「世界性に立脚する日本絵画の創造を期す」と宣言して始まった...

山下 重人

痛みを希望へ変える眼差しをデザインする、『地域保健』の挑戦

はじめに 健康は人々の活動を支える重要な基盤である。また、その維持には課題の把握と改善策が不可欠である。森は、課題を「痛み」、改善策を「希望」と表現している*1...

三輪 喜良

日本科学未来館「インターネット物理モデル」に学ぶ展示デザインの未来像

はじめに 普段の生活で活用するのが当たり前となったインターネットは、1969年にアメリカの高等研究計画局(ARPA)で世界で初めて誕生したパケット通信コンピュータネッ...

佐藤 千愛

継ぐ、意志 ー四日市人形の再興ー

はじめに 両手の中に、コロンとおさまる四日市人形。それは、明治から令和という時を経てもなお、多くの人に愛されている(図1)。 本稿では「四日市人形」の再興から次世...

松村 恭子

誰もが参加者でありアーティストである ――かがわ・山なみ芸術祭――

はじめに 海の復権をテーマに開催される瀬戸内国際芸術祭(以下、瀬戸芸)の中心地となる香川県では、中山間地域でもアートイベントが盛んに行われている。その1つが「か...