2025年3月
石取祭における境界のデザイン
1、はじめに 三重県桑名市では毎年8月の第1土曜、日曜に山鉾屋台行事としてユネスコ無形文化財に指定された「石取祭」という祭礼行事が行われる。太鼓や鉦を打ち鳴らす...
相模里神楽垣澤社中 ー古き新しき伝統の伝承と展開についてー
はじめに 「相模里神楽垣澤社中」は、神奈川県厚木市に拠点を置く家元世襲制の神楽社中である。丹沢山地と一級河川の相模川に挟まれ、都心の程近くながらも自然豊かな環...
辻占文化の変遷 ~金沢の正月の縁起菓子「辻占」~
はじめに 石川県の金沢市周辺では、正月に家族で辻占をする【資料1-1】。辻占とは、最中の皮や、餅粉でできた花のような小さな菓子の中に「これからよくなる」、「...
阿佐ヶ谷神明宮にみる、現代における神社の役割回帰
1.はじめに 文化庁の統計によると、神社の数は明治12年(1879年)から明治39年(1906年)にかけて20万社近くで推移していたが、明治末期に減少し、大正期から昭和13年...
夏を彩る『水海道祇園祭』の継承
基本データ 常総市は茨城県の南西部にあり、2006年1月に石下町と水海道市が合併して誕生した市である。また昔から季節毎に行われる行事が市民の楽しみでもあり、中でも...
智賀都神社の夏祭「付祭」―祭の魅力と地域自治コミュニティによる継承―
1. 基本データと歴史的背景 1-1. 智賀都神社について 智賀都(ちかつ)神社は、栃木県宇都宮市徳次郎(とくじら)町にある神社で、宝亀9年(778年)に日光三社権現を...
宗像大社秋季大祭「みあれ祭」とそれを支え守る漁師たち
はじめに 毎年見るたびに圧倒され感銘を受ける祭りがある。福岡県宗像市にある宗像大社の海上神幸「みあれ祭」である。この祭の伝統を守り斎行する漁師と三女神の関わり...
久武館が伝承する阿州柳生神影流の武道神事 ーその保存と継承ー
はじめに 阿州柳生神影流は、戦国時代から続く剣術流派である柳生新陰流の流れを受け継ぐ徳島県に現存する古武道流派である。 現在、久武館が伝承している阿州柳生神影...
山口県北浦地域の古式捕鯨-鯨に対する憐みの気持ちと文化の継承
はじめに 日本は捕鯨文化を持つ国であり、山口県萩市から下関市(1)にかけての北浦地域も古式捕鯨が行われていた。くじらの減少、世界的な商業捕鯨の批判などの理由から...