受賞レポート
ゆるやかな都市祭礼を持続させるもの〜雑司が谷鬼子母神御会式の考察〜
はじめに 都市の祭礼には、どのような特質があるのか。稲葉陽二は、村の祭礼と都市祭礼との違いとして、「自発的なつながり」「ほどよい閉鎖性」「定時性」の3点をあげ...
ひとを育て、まちを育てる「杜の宮市」— 次世代の文化とコミュニティを担う381artist —
はじめに 愛知県一宮市は、かつて「繊維のまち」として全国的に有名であった(1)。しかし時代とともに主力産業である繊維産業は縮小し[資1]、一宮市の中心市街地は活気が...
沖縄「喜如嘉の芭蕉布」継承のかたちー「本物」という概念をデザインするー
はじめに 沖縄の伝統染織「喜如嘉の芭蕉布」(以下「喜芭布」と略す)では、伝統工芸の価値の問い直しがうまくいっているのではないか。柳宗悦著『芭蕉布物語』(註1)...
青森県津軽地方の「こぎん刺し」―農民女性の知恵と工夫が繋ぐもの
はじめに 藍染の麻の野良着に白い木綿糸でびっしりと刺された、緻密で複雑な幾何学模様が特徴の「こぎん刺し」は、青森県津軽地方の一部に伝わる刺し子(刺繡)の一種で...
ベトナム南部のソンベ焼き―人々の生活を彩る庶民の器
はじめに ベトナム南部には、庶民の器として親しまれてきたソンベ焼き、ライティウ焼き(以下まとめて「ソンベ焼き」とする)という焼き物がある[1][2]。本稿では、器...
「佐賀んまちの恵比須さん」 〜江戸時代よりつづく恵比須文化の継続と発展の可能性〜
はじめに 七福神の一柱として知られる恵比須さん。佐賀には商売繁盛の神様である恵比須の石像を祀る風習があり(図1)、佐賀市内だけでも北の山間部から南の有明海近くまで...
越境コミュニティの拡大発展を創造する ―デザインの観点からみる「世界のウチナーンチュ大会」―
はじめに 沖縄県は独自の文化を色濃く現代まで伝承してきた地域性〔1〕がある。その要因の一つがコミュニティの形成過程にあると考えられている〔2〕。しかしながら、多...
市民が編集した歴史地区「いなげ八景」 ―地域文化・アートの拠点「千葉市民ギャラリー・いなげ」で醸成されるシビックプライド―
はじめに 千葉市稲毛地域に、「いなげ八景」(資1・2)がある。これは「千葉市民ギャラリー・いなげ」(以下ギャラリー)(1)に集う地域住民が、稲毛地域を歴史地区という切り...
岩山から生まれた聖俗真逆の空間デザイン 鋸山の古と今、そして、其の先へ
はじめに 鋸山は千葉県の富津市と鋸南町に跨り、かつては上総と安房の国境があった。その空間は富津市側の北麓が房州石採石の産業遺構、鋸南町側の南麓は日本寺という聖...
知多半島・半田の大絵馬群―忘却の淵で輝く新たな価値
はじめに 「忘れ去られた文化」にも、新たな価値を見出すことはできるのではないか。愛知県半田市の寺社に多く遺る大絵馬群もまた、人々の記憶から消え去ろうとしている...