奈良

吉田 和美

民俗芸能の伝承に関わる一考察 ―奈良市上深川・八柱神社の神事芸能「題目立」を通して―

昨今の日本社会において頻繁に聞かれる言葉に「絆」「繋がる」などがある。これらの言葉は、人と人のつながりを意味する場面に使われることが多い。これは、翻ってわが国...

川野 えり子

いにしえを伝え続ける奈良の固形墨の継続と可能性

はじめに 610年に日本に伝えられ、朝廷の置かれた明日香で始まった墨造りは、遷都(1)とともに奈良に伝わり、都が京都(2)に移ってからも奈良に留まっている。本稿では...

上村 由依

“継承の意思”-1000年を越えて宝物を今日に継承する、正倉院の管理と保存の根源-

はじめに 芸術作品は使い古されるものではなく、鑑賞され、継承されるものである。今日を生きる人々にとって、このような認識は自明に思える。美術館や博物館を訪れると...

増田 宏枝

古から未来へ、薬草の「時」を紡ぐ - 森野旧薬園

1)はじめに 奈良県宇陀市の松山地区に足を踏み入れると、古からの「時」の流れが全身に迫る。水路の心地よい音に歩みを止め、流れを見つめていると、悠久の「時」に溶...

山岸 幸子

五ふしの草のコミュニティデザイン

Ⅰ.はじめに  五ふしの草は奈良近郊の小規模有機農業の生産者グループである。自らで流通と販売を担い、それを食べ支える消費者と心の通う食料の流れ、つながりを育てて...

家志 幸太郎

長谷観音は何故これほどまでに信仰されてきたのか

(1)はじめに 大和国長谷寺は、西国三十三所観音霊場のひとつである。長谷観音は、『源氏物語』などの平安文学にも数多く語られ(註1)、露の五郎は、お伊勢参りの代...

田中 繭子

国指定重要無形民族文化財「十津川村の大踊り」

1.はじめに 私の父の郷里である十津川村は、紀伊山地の中央にあり、奈良県の南端・奥吉野に位置する。和歌山県と三重県に隣接し、高峻な山岳と清く碧い十津川の瀞峡(...

宮﨑 愛子

特別史跡キトラ古墳とその壁画について ― 優先された「壁画が持つ価値」 ―

はじめに 特別史跡キトラ古墳の壁画が2016年秋にキトラ古墳壁画体験館「四神の館」で公開された。古代人によって造られた墓は1300年の時を経て文化財となった。本稿では...

高 祥姫

「東アジア文化都市2016奈良」の国際文化交流について

はじめに 「東アジア文化都市」とは、韓中日の文化大臣の会合の合意に基づき、3か国での文化交流を目的として毎年各都市1つを選定し様々なイベントを行い、国際的な交...

福島寛子

奈良晒の伝承の形と未来への展望‐伝えるということ

1,はじめに 奈良は古くより奈良晒産業の栄えた地であったが、時代の変遷により衰退の一歩を辿り、多くの問屋や職人は蚊帳業者へと転身し奈良晒から離れてしまった。現在...

1