長野
碌山美術館 Rokuzan Art Museum -草創期建築群の空間造形とその担い手-
はじめに 北アルプスの麓、安曇野に位置する碌山美術館(資1)は、日本近代彫刻の先駆者とされる彫刻家・荻原守衛(以下、碌山とする)(1879~1910)の現存する彫刻作品15点...
一滴のコーヒーに潜む神秘の宇宙「マイクロ クリスタル アート」
はじめに マイクロ クリスタル アート(Micro Crystal Art 以下ミクロアート)とは、長野県の「安曇野ビンサンチ美術館」館長で美術家の北山敏氏が提唱するアートである...
飯田市の松川入佐倉神社―信仰の移り変わりと継承のありかた―
はじめに 長野県飯田に日本で最古の佐倉神社がある。千葉県佐倉が由来の神社がなぜ飯田にあるのか。 飯田は筆者の夫の実家があり、先祖代々語られてきた事柄がいくつか...
伊那の伝統「昆虫食」が秘める、現代に必要な可能性
長野県南部の伊那谷(いなだに)と呼ばれる、天竜川に沿って南北に伸びる盆地一帯では、昆虫食が今も根付いている。その中から「イナゴ(コバネイナゴ)」「蜂の子(クロ...
無言館 ~今を生きる私たちへの課題~
長野県上田市郊外。小高い丘の上に建つ「無言館」(図1)は1997年に開館した。太平洋戦争などで亡くなった画学生の作品を展示した美術館であり窪島誠一郎(1941-)の私設...
上田城跡公園ー市民とともに歩む公園ー
上田城跡公園は、長野県上田市・JR北陸新幹線上田駅から徒歩15分ほどの場所に位置する公園である。 上田市は長野県東部に位置し、県内では長野市・松本市につぐ3番目の規...
桂重英美術館 〜人と山と絵と、自然に抱かれた美術館〜 文化資産評価報告書
桂重英美術館は長野県松本市里山辺の北アルプスの稜線が一望できる高台にある。こよなく自然を愛した山岳風景画家桂重英(1909〜1985)がアトリエとして選んだ地で、2002...
信州上田、塩田平の田園空間を未来へ繋ぐために
はじめに 長野県中央部の上田盆地にある塩田平は、標高450~550メートルの大きな扇状地で、年間平均降水量が約900㎜の全国有数の寡雨地帯である。そのため、新田開発や...
信州姨捨山ー棚田の景観財の評価と考察
1 はじめに 信州姨捨山の棚田は「田毎の月」と呼ばれ名勝地として知られている。「田毎の月」とは、16世紀後半に山の斜面を地形に沿って階段状に開墾しつくらた水田...
水彩画家丸山晩霞の作風の変化と「荒廃した絵」の再評価
1. 序論;時代背景と基本データ 明治以降,日本に西洋文化が急速に流入した.この時期に活躍した水彩画家丸山晩霞(1867-1942)は西洋文化の影響を受けながら,日本水...