2026年3月

桑田 さやか

日本唯一のユニバーサルシアター「シネマ・チュプキ・タバタ」 ~万人にひらかれたサードプレイスとしての映画館の在り方~

はじめに 2025年11月に、東京でデフリンピック(1)が開催されていた。デフリンピックに関心を持ち、ろう者における社会との関わり方の歴史について調べていくうちに、ろう...

田畑 直美

「津久井在来大豆」 ――「大豆の会」のつなぐ食文化の伝統継承――

はじめに 本件は、新しいものが加速度的に更新される世の中で、いかに食文化の伝統を継承していくのかという問いを「津久井在来大豆」をめぐる活動に着目して検討するこ...

奥長 滋

現代の民俗文学としての国民的喜劇  ―『男はつらいよ』寅次郎の文化的分析―

はじめに 本稿では、日本映画史上最長のシリーズ『男はつらいよ』を、娯楽映画にとどまらず、文学性・民俗性・社会記録性を併せ持つ文化資産として評価する。主人公・車...

木許 妙子

人形浄瑠璃文楽 -文楽人形の首(かしら)に内包する性根- 

人形浄瑠璃文楽(以下、文楽)*1における文楽人形は舞台道具でありながら、舞台上では人形遣いによって芝居を演じる役者となる。文楽人形の「首(かしら)」*2には人間の...

川和田 直之

多民族国家マレーシアにおける日本食レストランの普及に向けた取り組みと課題

1.マレーシアにおける日本食普及の背景と課題 マレーシアでは、1980年代に導入された「ルック・イースト政策」を通じて、日本や韓国の成功モデルを参考にした政府主導の...

北村 香奈

虚構であり続けることの難しさ ー鯛よし百番と飛田新地における元遊郭ー

遊郭建築は、その成立背景から、文化資産として評価されることが難しい対象である。多くの場合、それらは美化される(1)か、あるいは語られないまま風化していくかのいずれ...

髙橋 薫

伊能歌舞伎の復興と継承実践にみる地域社会の再生――文化資源化の視点から

1. 基本データと歴史的背景 伊能歌舞伎は、千葉県成田市伊能に位置する大須賀大神の春季例大祭において奉納芝居として古くから上演されてきた郷土芸能である。現在は成田...

南 佳代

知的で豊かな衣生活のために為せる事とは――ファッションの価値向上に努めて――

はじめに 近年、ファッションを学際的に研究する学問分野「ファッションスタディーズ」(1)が盛んである。東大や京大でも講義が行われ(2)、ファッションスタディー...

青田 晶子

ちひろ美術館・東京と絵本原画の価値及び保存について

1.はじめに 近年、絵本原画展は年間約400展が開催され、多くの来場者を集めている[1]。こうした広がりの背景には、1977年に設立された世界初の絵本美術館「ちひろ美...

中井 宏二

京都伝統工芸の京陶人形―伝統と未来

はじめに 「京陶人形」(資料1)は、京都で作られる素焼き土人形の総称であり郷土人形に包含される伝統工芸品である。日本各地の郷土人形の素材は地域特性を生かした土、紙...