2026年3月
長崎夜景にみる生活と歴史の光 -斜面都市・港町における重層的夜間景観の文化資産的価値-
1.はじめに 長崎市は九州西端に位置する港湾都市であり、三方を山に囲まれたすり鉢状の地形を特徴とする。この地形により、市街地や住宅地は平地から斜面へと連続的に広...
埼玉県所沢市における廃ホテル再生を核とした地域活性化の事例
1. 基本データと歴史的背景 カジュアルオーベルジュ樹樹(以下樹樹という)は、フランス語で「宿泊できるレストラン」を意味する宿泊と食事を同時に楽しめる施設である。...
「日本橋に空を」 ~何を残し、何を壊し、どのように創るのか~
今、日本橋に行ってみると、重要文化財である日本橋のすぐ真上に首都高速道路(以下、首都高)が覆いかぶさる。橋の装飾は首都高に挟まって、上部は見えない。なんとも不...
教科センター方式の板橋区立赤塚第二中学校ー地域の文化資産としての価値と展望ー
1. はじめに 板橋区立赤塚第二中学校(以下、赤塚二中)は、アートギャラリーの趣のある美しいデザインの学校である(図1)。その美しさの秘密の一つは、「教科センター...
産業遺産の再活用における空間・用途・素材の重層性から「デザインのこれから」を考える ―「大谷資料館」を事例として―
1. はじめに 近年、炭鉱や採石場などの産業遺産を、観光施設や文化拠点として再活用する事例が国内外で見られる。これらの取り組みは、歴史的遺構を保存することにとどま...
万博のレガシー 〜大阪・関西万博にみるコミュニケーションを強く意識したデザイン〜
1.はじめに 国際博覧会条約に則り大阪府大阪市此花区の夢洲で国際博覧会、略称「大阪・関西万博」が2025年に開催された。国際博覧会(以降、「万博」と記す。広義を指...
歩くことで生成し続ける文化資産「カミーノ・デ・サンティアゴ」 ―巡礼路における歩行体験のデザイン的考察―
1.基本データと歴史的背景 カミーノ・デ・サンティアゴ(以下、カミーノ)は、スペイン北西部ガリシア州に位置するサンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂を目的地とす...
建築空間の創造的な利用について 内之浦宇宙空間観測所 Mロケット組立室
はじめに 鹿児島県大隅半島の東部にある内之浦(肝付町)には、日本初の人工衛星「おおすみ」や小惑星探査機「はやぶさ」を打ち上げた内之浦宇宙空間観測所(資1)がある...
『時計台』〜時を告げる建築文化資産の継承
はじめに 北海道札幌市中心部に位置する通称「時計台」は、札幌市を象徴する歴史的建造物として広く知られている。しかしながら、その正式名称が「旧札幌農学校演武場」...
伝統工芸「宮染め」に共創で新たな価値を創出する~「宇都宮美術館 平成27年度・館外プロジェクト(以下「館プロ」という。)(1) 地域産業とデザイン~宮の注染を拓く~」(2)(以下「宮プロ」という。)
はじめに 「宮プロ」の取組をきっかけに、継続して「宮染め」に新たな価値を創出できるのか。濱田琢司は、文化地理学的考察の中で、「民芸」は「産品の価値を変容させる...