加藤 志織(准教授)2017年9月卒業時の講評

年月 2017年10月


今期、卒業研究に取り組まれたみなさん、お疲れ様です!本科目を担当している教員の加藤志織です。今回も、たいへんに興味深いレポートが提出されました。読みごたえのあるものばかりでした。

では、私が採点と講評を担当した、主に工芸・美術・プロダクト・空間造形を事例に選択した卒業研究レポートにかんして全体講評をおこないます。

個別のレポートの査読結果(点数と講評)については、それぞれにお伝えしてありますので、この場では、みなさんの卒業研究レポートを読んで感じたことを率直に述べさせていただきます。

この度も、着眼点のユニークさは評価できるものの、課題で求められている条件にそった論述が十分にできていないレポートがいくつもみられました。

卒業研究で求められていることは、事例の概要を紹介することではありません。未知の事実を自分自身で調査したり、既知の研究成果等を再検討することで新知見を導き出したりすることが本科目の目的です。

こうした点を満たした論考を作成するためには、論点をできる限り絞り、その論点から外れないように慎重にレポートを構成しなければなりません。しかし、その点に問題のあるレポートが目立ちました。

もう一度、ご自身のレポートを見直して、論点が首尾一貫しているか、復習をかねてご確認ください。

物事を正しく論ずるための思考方法や文章力は、大学のような教育機関に限らず、幅広く社会全般で役立ちます。それは人生のあらゆる場面で、われわれを助け、豊かにしてくれます。ぜひ、その能力を卒業後も伸ばし続けてください。

卒業研究で学んでいただいた、世界を自分の目で見て問題点を発見し、それを調査・分析し、客観的に説明することも同じです。こうした一連の能力についてもさらに磨きをかけて、これからの人生に活用していただければ幸いです。

みなさんの今後の活躍を期待しています!