大谷 義智(准教授)2021年9月卒業時の講評

年月 2021年10月
みなさん、こんにちは。卒業研究の採点、講評を担当させていただきました教員の大谷義智と申します。卒業研究のレポート制作、本当にお疲れ様でした。このコロナ禍において、様々なご苦労があったことと思います。しかし、それぞれのレポートはとても読み応えのある素晴らしいものでした。以下、私が担当させて頂いた卒業研究における総評をさせていただきます。

卒業研究における課題は、「文化資産評価報告書」です。人々の生活の場において行われている、様々なデザイン活動や芸術活動に関して情報収集を行い、分析し、考察することが問われています。文化、芸術、デザインと言葉で言ってしまうととても難しく聞こえがちですが、「全てが人間によって生み出された活動」と、とらえ直せば、その活動の過去と未来に新しい流れが見えてきます。

みなさんのレポートの中で共通して感じられたことは、「持続可能な社会へのまなざし」でした。急速な勢いで変化する社会や自然の中で、地域の公共施設はどうあるべきか、ファッションにおけるリサイクル活動に何ができるか、など様々なテーマの中で、私たちの社会を少しでも良い方向へと導くための提案の数々でした。

論文やレポートを書くにおいては、客観的な視点と主観的な視点が同時に求められます。自身が興味を持った事象の歴史的背景や事実関係を調べながら、常に「なぜ?」を問いかけ、考察することで、未来への新しい可能性を提示します。そして、その独自の視点(まなざし)を発表し、他者と共有することこそが、論文やレポートの価値となります。

今回、私が担当した卒業研究のレポートの中では、1名の方がレポートの公表に賛同していただけました。ありがとうございます。デジタル技術が進化する中、個人情報をどのように保守するかがますます問われていますが、皆様の日々の生活の中で、学びを通じて培った視点(まなざし)を是非、多くの人々と共有していただけたらと思います。

最後になりますが、卒業生の皆様、ご卒業おめでとうございます。