大谷 義智(准教授)2022年9月卒業時の講評

年月 2022年10月
皆様、卒業研究のレポート制作お疲れ様でした。2022年の夏は猛暑が続き、コロナの第七波と、学びを進める上でもご苦労の多かったことと思います。しかし、皆様の様々なまなざしで書かれたレポートの数々を拝読させていただきながら、未来への新たな視点を共有することができました。以下、私が担当させて頂いた卒業研究における総評をさせていただきます。

今回、共通して感じたことは、それぞれの方々が今の時代に生きながら真摯に社会への問題に疑問を投げかけている姿勢です。「教育問題」「環境問題」「過疎化問題」など様々な地域における社会問題への考察が深くなされていました。

「社会における様々な問題は、人々の活動でしか解決できない。」ということを改めて考えさせられるレポートの数々でした。

卒業研究では、様々な場で実践されているデザインや芸術活動を、独自の視点で捉え、「文化資産評価報告書」としてまとめることが求められています。そして、取り上げた事例のどんな点について積極的に評価しているのか、今後の展望とともに述べることを求められます。しかし、ご自身の興味のあるテーマを題材にするためか、主観的な意見に留まってしまった方も何人かおられました。

レポートを書くにあたっては、客観的な視点と主観的な視点が同時に求められます。題材の背景や史実を調べながら、常に問いかけ、考察することを忘れないでください。そして、常に「問いを持ち考察する姿勢」は皆様のこれからの未来に必ず役に立つ視点だと信じています。

芸術教養学科での学びが、皆様のこれからのご活躍に生かされることを願って、卒業生の皆様、ご卒業おめでとうございます。