上村 博(教授)2021年9月卒業時の講評

年月 2021年10月
みなさま、卒業研究レポートの作成お疲れさまでした。担当者のひとり、上村です。
卒業研究に至るまでのさまざまな科目で得られた知見も、そこに組み入れられていることと思いますが、やはり与えられた課題に対してレポートをまとめるというのではなく、自分で選んだ主題について考察するというのは、最後の科目として取り組みがいがあったのではないでしょうか。
さて、今回私が担当したレポートはいろんなジャンルにわたったものでした。フィルムアーカイブ、ドイツや北海道の食文化、フェミニズムアートなど、多くは現在進行形のきわめて興味深い事例が扱われていました。学術的なレポートで同時代的なものを扱うのは、根拠ある論述のための資料が入手できなかったり、また公平に評価するための距離感が充分でなかったりと難しい面もありますが、他方で、今まさに芽生えようとしている新鮮な活動の特色をきちんと理解し、正しく文章で伝えるということも非常に大事なことです。
今回は、みなさんのとりあげた事例はまずそれ自体面白く、そうした発見そのものに、すぐれた観察力が現れていると思います。ただ、もう一歩、対象に肉薄するような記述がほしいレポートもありました。一般的に語られているような特色、一目で了解できるような性質を語る、ということにとどまらず、さらに事例に接近して、レポート執筆者が独自に発見した特徴やメリット、そしてまたそれを生み出す工夫(デザイン)を読み取って指摘してくださると、よりレポートの良さが増したのではないかと思いました。
しかし、それはまた卒業なさったあとでも追々考えてください。そして引き続き本学科で得られた視点をもって、生活に仕事で活躍されることを期待しています。