野村朋弘 (准教授:主任)2018年3月卒業時の講評

年月 2018年3月
卒業研究を取り組まれた皆様、お疲れ様でした。そしてご卒業おめでとうございます。今季は103名を送り出すこととなりました。
地域の文化資産評価報告書を作成することが、卒業研究の課題となっています。
私は伝統・文化に関わる題材を中心に担当し、講評致しました。
特に今季は、よく参考文献にも当たられて纏められたもの、フィールドワークで丹念に調べられたものも多々あり、こちらもとても学びとなりました。

地域の文化資産には、地域の人々に愛され、守られてきた経緯があります。
その歴史をよく把握し、ご自身が何を評価されるのか論述する必要があります。ただ、その中で、少しだけ気になった点がありました。
それは、課題の報告書作成に際して、明記するポイントの1つである「国内外の他の同様の事例に比べて何が特筆されるのか」です。

他の事例と比較することは、自身が取り上げる事例を相対化して考察することに他なりません。論述するに際しどのような比較が有効か、思案することが重要になります。
この点は昨年度も講評で述べたのですが、今年度も「挿絵」のように提示しているだけにとどまっているものがあり、もったいないと感じましたので、改めて述べました。
気になった点は、個別の講評で指摘させて頂きました。参考にして下さい。

芸術教養学科での学びは、幅広い知識を得て、更には物事を俯瞰する目を養うものです。教養とは、学ぶことを愉しみ続けることだと思います。卒業されたあとも、大学で学んだことを胸にして「知ること」を愉しんで下さい。

卒業される皆様のご活躍を祈念しております。