2025年9月

古賀 祐香

御船山楽園『チームラボ かみさまがすまう森』-デジタルアート展示による文化資産の活用について-

1.はじめに 佐賀県武雄市の御船山楽園で開催されている『チームラボ かみさまがすまう森』を対象とする。本展示は、チームラボが提唱する「Digitized Nature」の理念...

水谷 智扶美

鎌倉の別荘文化の推移と旧大佛次郎茶亭の復活

はじめに 鎌倉市は東京から南西に約50kmの神奈川県南東部の三浦半島の付け根に位置し、三方を低い山に囲まれ、南は相模湾に面している(1)(資料1)。 鎌倉は日本のナ...

北井 洋将

「平松のウツクシマツ自生地」-劣性遺伝の天然記念物が描いた風景-

1.基本データ 「平松のウツクシマツ自生地」(滋賀県湖南市平松541番地)は、滋賀県湖南市の美松山(びしょうさん)の南東斜面にあり、唯一自生するウツクシマツ(アカ...

木下 小百合

さびれと美しさの交差点──桑名市街地に見る自治と景観の関係性

はじめに 都市の「美しさ」は、活気や開発と必ずしも一致しない。むしろ、人口減少やにぎわいの喪失の中で、丁寧に暮らす人々の美意識が景観として現れることがある。三...

新井 有紀

地域社会の顔としての再出発ー浜寺公園駅旧駅舎の試験活用ー

はじめに 大阪府堺市にある浜寺公園駅は、筆者がかつて浜寺地域に住んでいた頃に利用した駅である。辰野金吾が設計を手掛けた最初の木造駅舎にして歴史ある建造物は、...

阿部 千幹

メカイ製作技術保存活動 ー多摩ニュータウンを対話でつなぐー

はじめに 高度経済成長期の旺盛な住宅供給に対し、東京都南多摩地域の4市(八王子市、多摩市、町田市、稲城市)にまたがる多摩ニュータウンが開発され、現在では人口22...

松田 奈侑

ゆるやかに「重なり、つなぐ」 ——新・多摩市立中央図書館と多摩中央公園の一帯のデザイン——

はじめに 東京都多摩市・多摩ニュータウンの魅力は、整備された住環境と、自然豊かな景観だ。しかし街は近年 “オールドタウン”と揶揄され(1)、見た目にも...

中村 千恵

高岡御車山祭~山町筋にふさわしい姿~

1, 基本データ 開催日時 4月30日(宵祭)5月1日 開催場所 富山県高岡市 高岡関野神社及び周辺市街地(山町筋)で、御車山という7基の山車が巡行する行事である...

占部 純子

登録有形文化財の活用 -「茶吉庵」の事例-

はじめに 大阪府八尾市の東、河内二の宮・恩智神社の参道と、京都から高野山までを結ぶ東高野街道の交わる角に「茶吉庵」はある(資料1)。カフェや飲食スペース、カルチャ...

方波見 博之

花岡芦畔獅子舞―750年以上受け継がれた伝統と未来

はじめに 栃木県佐野市花岡町に伝わる「芦畔獅子舞」(註1)は、750年もの歴史を持つ伝統芸能である。地域住民が一丸となり、世代交代を重ねながら大切な獅子舞を守り続け...