野村朋弘 (准教授:主任)2017年3月卒業時の講評

年月 2017年3月
卒業を迎える皆さま、おめでとうございます。
今期は3年次入学された皆さんと、1年次からご入学された皆さんとが卒業される初めての卒業式となります。言祝ぎ申し上げます。

さて、芸術教養学科では最終科目として卒業研究レポートをまとめることが求められています。今回も私は伝統的な事柄に関わるテーマを中心に読ませて頂きました。
博物館・資料館に関わるものや伝統芸能・行事など、取り上げられたテーマは本当に様々で興味深く読ませて頂きました。

毎回、総評のコメントでも書いていることですが、地域に伝わる、そして守られてきた文化資産を、どう理解して次の世代へつなげていくか。歴史だけを考えるだけでもなく、未来を考えるだけでもない。我々がいる「現在」がどこからきて、そしてどこへ向かっていくのか。そうしたことを考えて欲しいのが、芸術教養学科の有り方といえましょう。
担当したものも含め、皆さんがそれぞれ、思考していることが良く分かり嬉しくなりました。

但し、自由な論文ではなく、課題レポートではおさえなければならないポイントがあります。ポイントを踏まえて取り組まれているかも重要な基準です。細かい点も含めて個別の講評で指摘させて頂きました。ご参考にされて、今後も地域に遺された文化資産に対する眼差しを大切にして下さい。

本学にご入学されてから2年から4年間にわたった学びの中で、物事を「考える」「覧る」「調べる」能力は格段に向上したと思います。
卒業はゴールではなく、「知ることを愉しむ」スタートです。ぜひ、本学で学んだことを糧に、知る愉しみを謳歌して下さい。
卒業生の皆さんのこれからのご活躍を祈念しております。