上村 博(教授)2016年3月卒業時の講評
今回の卒業研究ではさまざまな興味深い事例が報告されました。地域の産業や製品に関わるレポート(根室のお酒、岩手のニットなど)、それと関連しますが行政も一緒になった地域でのデザインの取り組み(博多織、福井のキッチン関連製品、川越の地ビール)、芸術活動ないし芸術教育の場を取り上げてくださったもの(身延の高校の活動、福岡での小学校の事例、掛川の寺院での文化交流、たまプラーザのイヴェント)、歴史的な遺産にかかわるもの(高知の歴史的建造物、藤沢の寺院の行事)、また大分のローカル番組をとりあげてくださったかたもおいででした。いずれも人の力で続いているもので、何気ない日常的な営みもあれば、個人のイニシアティヴが強いものもあります。やや概説に流れたレポートもありましたが、目の付け所はそれぞれ良かったです。今後もさらに精細に見つめて、各々の個性の輪郭を際立たせてくださると面白いと思います。