「弥栄神楽座」新しい伝統神楽のデザインと継承

二宮 千佳

はじめに
福岡県嘉麻市にある射手引神社では、伝統神楽のない地域に新たな伝統神楽をつくるため「弥栄神楽座」(1)を立ち上げ、今年で10周年を迎える。本稿では、神楽創作を行う弥栄神楽座を取り上げ、デザインの観点から検証し、その意義を文化資産として評価し、今後の展望について考察する。

1、基本データ
神楽座名・弥栄神楽座
結成年月日・2014年10月10日
奉納神社・射手引神社(福岡県嘉麻市上山田)
発起人・射手引神社 神職 桑野隆夫氏

2、歴史的背景
福岡県の中央に位置する嘉麻市(2)は、昭和のはじめ炭鉱で栄えた町だが、エネルギー革命により閉鎖され、現在は人口減少と高齢化による過疎の地域である(3)。2007年、上山田地区にある射手引神社の神職を受け継いだ桑野氏は、閑散としたまちに人が集う神社を目指し、「神楽(4)の文化がない地区に100年先まで続く新しい神楽をつくりたい」と、神楽奉納を発案した。2014年、地元有志を中心に「弥栄神楽座」を立ち上げ、翌年から毎年5月の第2または第3日曜日に神楽奉納を行い、2020年のコロナ禍は無観客開催となったが、2024年5月に10周年の神楽奉納を開催した(5)。

3、評価点
3−1、独創的な神楽のデザイン
神楽のデザインを創造的なプロセス(6)の観点からみると、桑野氏はまず神社や周辺、住人を観察し、そこから地域に賑わいをもたらし伝承されることを目的として神楽奉納を構想し、実現のため日本各地の神楽を参考に検証している、といえる。
また神楽座設立の要件は、その土地の環境を地盤に、行う「場」と「時」、用いる「物」、使う「金」、関わる「人」の5つが必須であり、特に関わる「人」が重要となる(7)。桑野氏は、地域の参加者と創作に関わる人集めに尽力し、2年の歳月をかけている。そして神楽の創作者(8)として、振付と指導を担当する舞踊家、作曲と演奏を手がけるピアニストと太鼓奏者、衣装作家と面・道具制作を行う造形作家の若手芸術家が集結した。他の地域の神楽同様に、題材は地元に伝わる神話や歴史、社伝とし、衣装は和装で、音楽は太鼓・鉦・笛の演奏を基本としつつ、1から神楽創作を行い、翌年5番を奉納した。
近年、民俗芸能の存続は、社会生活の変化や少子高齢化などにより厳しい状況のなか、日本の伝統ある神楽の形を継承しつつ、桑野氏の知識を基に、地元有志や多彩なアーティストの関わりにより、伝統と芸術の融合した独創的な神楽創作を実現している点を評価する。

3−2、コミュニティ・デザイン
弥栄神楽座は、桑野氏が音頭とりとなり、上山田地区や近隣の人々とつながりをつくり、現在は演者とスタッフ合わせて60名ほどが在籍する。団員は、地元の会社員や公務員、デザイナーや主婦、小学生から中高生、年代は10代から60代までの老若男女、3分の1は女性が占め、嘉麻市在住のアメリカ人男性とデンマーク人女性が参加しており、希望者は誰でも参加できるため間口は広く、向上心が高い。週2回の神楽稽古では、舞や楽器の練習を楽しみながら、参加者同士で切磋琢磨したり、仕事や家族の悩みなどを相談したり、さらには稽古後の懇親会で親睦を深めながら神楽を上達し、毎年奉納を重ねる毎に連帯意識を高めている。神楽継承に対しても、自分ごととして使命感を感じているメンバーが多い。
この神楽座は、多彩な人々と新しい芸能である神楽の学び(9)を共有するコミュニティ(10)を形成しているとして評価するとともに、2017年、県内で地域づくり活動が顕著であるとして「ふくおか地域づくり活動賞 準グランプリ」を受賞しており(11)、コミュニティ・デザインとして優れているといえる。

4、特筆点
同じ福岡県の那珂川市山田地区にある岩戸伏見神社に奉納している岩戸神楽(12)を取り上げ、比較・考察する。

4−1、伝統と現代
岩戸神楽は、江戸時代が発祥とされ、これまでの継承の中で整理され、演目数は18番(13)と決まっており、毎年その中の11〜13番を奉納する(14)。一方、弥栄神楽では、これまで創作した20番(15)の中から12〜13番を奉納し、さらに今後33番まで増やしていきたいと意欲的に取り組んでいる。
次に舞の動きについて、岩戸神楽は基本の動きの組み合わせで構成されていて、いい意味で簡素化され後継者が覚えやすい舞である。一方、弥栄神楽では、伝統的な日本の舞踊の体の使い方(16)を継承しつつ、振付はプロの舞踊家によるオリジナルなので、足の動きや運び、踏み方は複雑であり、動きのフレーズ(一連の動き)が他の神楽と比べると多く、芸術性の高い独特な舞になっている(17)。
また使用する面について、岩戸神楽の面は「古面」といい、制作は江戸時代中期から後期と推測され、1999年に那珂川町有形民俗文化財に指定されている。古面は、ほとんどが木彫りで制作され、能面系が7割をしめる珍しい神楽面(18)とされ、能面の上品さを兼ね備えている特徴がある。一方、弥栄神楽座は造形作家により制作され、主に型に紙を何枚も張り重ねる張子での制作を行い、形や素材は斬新なものが多く、より演者への配慮や工夫がある(19)。特に、神功皇后の冠(20)と「四季」の神楽鈴4振は、九州産業大学芸術学部の教授と学生の協力を得て特注で制作されている(21)。
このように演目数と舞、面、道具で比較すると、岩戸神楽は洗練された伝統的な神楽であり、弥栄神楽は芸術性とオリジナル性を兼ね備えた現代的な神楽と言い表すことができ、特筆点としてあげる。

4−2、地域性と広域性
岩戸神楽のある山田地区は、那珂川からの水の恵をうけ昔から田畑が多い地区であり、五穀豊穣、無病息災、家内安全を祈り奉納することが目的である。奉納日は、保存会を結成した1952年から7月14日と決まっているため(22)、改めて奉納日の周知や神楽座の広報は行っておらず、地区の人たちと舞や囃子を楽しむものとして、地域性の高い神楽といえる。一方、弥栄神楽は、神楽本来の意味を大切にしつつ、奉納へ参加する地域の人だけでなく、広く県内外からの集客を重視している。そのため多くの観客が見やすいように、奉納の3年目から射手引神社の拝殿前に特設舞台を設置した(23)。また神楽座のホームページ作成や発足当時からソーシャルメディアでの発信(24)を積極的に行ない、他のイベントやメディアに出演など(25)、外部への広報活動が盛んで開かれているのが特徴といえ、特筆点としてあげる。

5、今後の展望
結成当時は、発起人の桑野氏さえ神楽創作が上手くいくのか半信半疑だったが、毎年継続でき軌道にのってきている。その理由として特に、神楽座団員が年々増加していることと、年齢、性別、国籍に関係なく受け入れていることをあげる。後継者問題を課題とする民俗芸能集団は多いが、この神楽座は時代に則した継承の仕方を行い、今後の見通しは明るいといえる。ただ現在70歳以上の団員はおらず、嘉麻市の人口の4割は65歳以上(26)であることを鑑みると、より地域に根ざした神楽座になるためにシニア部をつくり、さらに多様なコミュニティとなることを提案する。
また10周年の奉納では、地元のお酒が観客に振る舞われ、特産の赤崎牛の唐揚げや珈琲店が出店し、物販では記念の手ぬぐいや神楽シール、レトルトカレーなどを販売するなど、嘉麻市に拠点がある企業とつながりを形成し、過疎の進む地域の活性化に貢献しており、今後も継続していくべきであると考える。
さらに神楽のまちを目指すために、他地域の神楽フェスティバル(27)への参加を提案する。他の神楽座のパフォーマンスから学び、芸の向上を促し、交流をもちつながりをつくっていくことは、広く継承の意味において有効だと考える。

まとめ
この事例では、「伝統的な神楽」をデザインできることを証明し、10年間継続し新たな価値(28)をうみだしており、「創られた伝統」(29)といえるだろう。それは、神楽本来の「神を迎え、神と人々がともに楽しむ」という魅力あるイベントをはじめた結果、一過性のものではなく、芸術性の高い芸能として地元の人々から受け入れられ、つながりを育み、今では地域の発展を担う存在へと成長しつつある。
野村朋弘によると「伝統とは、新たに創設されたものが、普遍的な価値をもち、永く後世に伝わること」(30)であるという。弥栄神楽座は、今後も継承されていき、地域に根ざした伝統神楽になり、まちの誇りとなることを期待したい。

  • 81191_011_32086249_1_1_(資料1)第十回弥栄神楽座奉納神事? (資料1) 第十回弥栄神楽座奉納神事2024年①
  • 81191_011_32086249_1_2_(資料2)第十回弥栄神楽座奉納神事? (資料2) 第十回弥栄神楽座奉納神事2024年②
  • (資料3) 弥栄神楽創作者プロフィール(非掲載)
  • 弥栄神楽座と岩戸神楽の演目番数の比較表(再送)_page-0001
  • 81191_011_32086249_1_4_(資料4)演目番数比較表・弥栄神楽座活動記録(_page-0002 (資料4) 弥栄神楽と岩戸神楽の演目番数の比較表・弥栄神楽座活動記録(メディア、出演記録)
  • 81191_011_32086249_1_5_(資料5)岩戸神楽奉納神事? (資料5) 岩戸神楽奉納神事2024年①
  • 81191_011_32086249_1_6_(資料6)岩戸神楽奉納神事? (資料6) 岩戸神楽奉納神事2024年②
  • 81191_011_32086249_1_7_(資料7)弥栄神楽インタビュー・面について_page-0001
  • 81191_011_32086249_1_7_(資料7)弥栄神楽インタビュー・面について_page-0002
  • E8B387E69699EFBC97E28892EFBC92E5BCA5E6A084E7A59EE6A5BDE383BBE99DA2E381ABE381A4E38184E381A6_page-0001 (資料7) 弥栄神楽インタビュー・面について
  • 81191_011_32086249_1_8_(資料8)岩戸神楽インタビュー_page-0001 (資料8) 岩戸神楽インタビュー

参考文献

<註>
(1) 弥栄神楽座 ホームページ
https://iyasaka-kaguraza.com (2024年7月28日閲覧)

(2) 嘉麻市は、福岡県の中央に位置し、2006年3月、嘉穂南部1市3町(山田市・碓井町・稲築町・嘉穂町)が合併して誕生した市である。昭和のはじめは炭鉱で栄えた地域で、人口は10万人を超えていたが、1960年代のエネルギー革命により次々に炭鉱は閉鎖され、人口は急激に減少し、現在は人口36,266人(2021年)、そのうちの4割が65歳以上と高齢化が進んでいる。
面積135.11平方キロメートル、市全体の約72%が森林と耕作地で、多様な生態系を保護する山林や河川流域に広がる生産緑地などの水と緑が豊富な地域である。気候は、夏冬、昼夜の気温差がかなりあり、内陸性気候の特徴を示す。
・「嘉麻市統計書 令和4年7月改訂版」より参照。
https://www.city.kama.lg.jp/uploaded/life/27180_46837_misc.pdf(2024年7月28日閲覧)

(3) 嘉麻市全域で、過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法第2条の規定に基づく人口要件と財政要件を満たし、国より過疎地域の指定を受けている。
・嘉麻市ホームページ 「嘉麻市過疎地域持続的発展計画」
https://www.city.kama.lg.jp/site/keikaku-shishin/23093.html (2024年7月28日閲覧)

(4) 神楽とは、神を招き、神と人とが共に楽しむ宴のことで、太鼓や笛などの音楽(囃子)に合わせ、色鮮やかな採物や衣装、神楽面をつけた人たちが、降臨や物語を題材にして舞う神事芸能である。起源は、『古事記』『日本書紀』に登場する「天岩戸」の神話の中で、岩戸に隠れた天照大神を戸外に出すために天鈿女命が披露した舞とされる。神楽は、平安時代に宮中で行われ、現在は宮内庁楽部が行う「御神楽」と各地の寺社の祭礼で行われる民俗芸能としての「里神楽」の2つに分類される。里神楽は、明治時代(1870年代)に明治政府の敬神思想によりそれまでの神職による神楽が禁止され、民間人に受け継がれ、現在まで継承されている。
・小泉優莉菜 編『伝統と文化』公益財団法人ポーラ伝統文化振興財団、2020年、p4〜7。
・独立行政法人 日本芸術文化振興会 文化デジタルライブラリー 日本の民俗芸能 「神楽」
https://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/contents/learn/edc27/genre/kagura/index.html (2024年7月28日閲覧)

(5) 第十回弥栄神楽座奉納神事(資料1、2)

(6) 創造的なプロセスとは、観察〜構想〜検証〜実現とする。
早川克美『デザインへのまなざしー豊かに生きるための思考術』藝術学舎、2014年、p17。

(7) 石垣悟 編著『まつりは守れるのか 無形文化財の保護をめぐって』八千代出版、2022年、p16。

(8) 弥栄神楽座 創作者プロフィール (資料3)

(9) 地域住民が民俗芸能を学ぶ意義について、「特別なハレの日に芸能を楽しむことは、日常のストレスを発散させて精神をリフレッシュする。みずから演じる者は、少しでも上手になりたいと努力し、娯楽ばかりでなく創造意欲の発露という効果も生まれる」とする。
・矢内賢二 編『近世から開化期の芸能と文学』 藝術学舎、2014年、p136。

(10) コミュニティの定義について、「人間が、それに対して何らかの帰属意識をもち、かつその構成メンバーの間に一定の連帯ないし相互扶助(支え合い)の意識が働いている集団」とする。
・野村朋弘 編『人と文化をつなぐもの コミュニティ・旅・学びの歴史』藝術学舎、2014年、p12。

(11) 地域づくりネットワーク、福岡県協議会主催 2017年(平成29年度)第10回「ふくおか地域づくり活動賞 準グランプリ」(協議会会長賞)受賞
https://chiikinet-fuku.org/file/h29.pdf (2024年7月28日閲覧)

(12) 那珂川市の山田にある岩戸伏見神社に奉納している「岩戸神楽」は、毎年7月14日の祇園祭の夜に行われる。江戸時代から継承されているといわれ、元々は各神社の神官たちが集まり奉納する社家神楽だったが、明治維新後の神職による神楽座廃止に伴い、明治13年に地元の村人が「珍楽社」という神楽座を構成し、 今日に受け継がれている。舞は全部で 18番あり、中でも「荒神」「問答」は、鬼が境内を駆け回る勇壮な神楽である。この鬼に抱かれた赤ちゃんは、元気に育つと言われ、当日は子ども連れの参拝者でにぎわう。よく整い、民俗と一体となって伝承され、地域的特色を示すものとして価値があるとして、1954年、福岡県無形民俗文化財に指定されている。
・ふくおか民俗芸能ライブラリー ホームページ 「岩戸神楽」
http://www.fsg.pref.fukuoka.jp/e_mingei/detail.asp?id=25-1 (2024年7月28日閲覧)

(13) (15) 弥栄神楽と岩戶神楽の演目番数の比較表 (資料4−1)

(14) 岩戸神楽奉納神事 (資料5、6)

(16) 日本の舞踊では、「腰を入れてしっかり構えて浮かぬことを基本とし、あるいは<角をとる>といって舞台を廻ることや、また<摺り足>といって足を上げずに歩くことや、<反閇>といって強く足拍子を踏むことなどの特徴」があり、伸びるのではなく、縮む、かがむ、魂を込めるという身体観を形作っていく。
・ボナヴェントゥーラ・ルペルティ編著『日本の舞台芸術における身体』晃洋書房、2019年、p13。

(17) 弥栄神楽座 Facebookページより 「令和四年元旦新春神楽奉納 産霊、千歳萬歳」動画
https://www.facebook.com/watch/live/?ref=watch_permalink&v=1061875714664822(2024年7月28日閲覧)

(18) ミリカローデン那珂川作成 「岩戸神楽 〜福岡県無形民俗文化財〜 岩戸神楽の古面」
https://www.mirika.or.jp/event/b4b12689733453fc3ddc0a1b829df6f65cab8767.pdf(2024年7月28日閲覧)

(19) 弥栄神楽・面について(資料7−2)

(20) 九州産業大学ホームページ 「芸術学部学生が弥栄神楽座で使用される王冠を制作」
https://www.kyusan-u.ac.jp/news/55682d639eefc/ (2024年7月28日閲覧)

(21) 弥栄神楽座 Facebookページ 「5年前からのプロジェクト、九州産業大学芸術学部生活環境デザイン学科の新啓太郎准教授と、研究室の学生さんたちに制作を依頼しておりました「弥栄神楽座オリジナル神楽鈴」4振が遂に完成しました。」
https://www.facebook.com/iyasakakaguraza/posts/pfbid02HZZnGDFcTBSAoRfnNt5VfccWmhhnr9nSNTD2UAYyv9NjaEtW7Nt2LQYyXs7g6r2Nl (2024年7月28日閲覧)

(22) 岩戸神楽 福岡県無形民俗文化財指定35周年記念事業実行委員会・編『岩戸神楽 福岡県無形民俗文化財指定35周年記念誌』岩戸神楽保存会 珍楽社、1991年、p45。

(23) 弥栄神楽 インタビュー(資料7−1⑦)

(24) 弥栄神楽座 Facebookページ (2015年2月24日開始〜)
https://www.facebook.com/iyasakakaguraza(2024年7月28日閲覧)

(25) 弥栄神楽座活動記録(メディア・出演記録)(資料4−2)

(26) 2021年の嘉麻市総人口36,266人に対して、老齢人口14,552人、割合は40.1パーセントである。
・「嘉麻市統計書 令和4年7月改訂版」第5章 人口 p5。
https://www.city.kama.lg.jp/uploaded/life/27180_46837_misc.pdf(2024年7月28日閲覧)

(27) 九州の熊本県阿蘇市で開催の神楽フェスティバルでは、地元阿蘇や大分県、島根県の神楽座が参加し、1日中パフォーマンスを行う。
・阿蘇市役所 ホームページ 「第32回阿蘇市神楽フェスティバルを開催します」
https://www.city.aso.kumamoto.jp/2023/09/13/ (2024年7月28日閲覧)

(28) 新たな価値とは、「ひとたび祭礼の奉納芸として定着すると、毎年繰り返し演じられ、変わらずに伝承されることに意味が生まれる」とする。
・矢内賢二 編『近世から開化期の芸能と文学』藝術学舎、2014年、p129。

(29)「伝統の創造論」と呼ばれる考え方で、「伝統とは、いま生きている人々が、過去の出来事をいまの視点から取捨選択し、改めて組み替えてつくった物語である」という指摘のことである。
・中西紹一、早川克美編『時間のデザインー経験に埋め込まれた構造を読み解く』藝術学舎、2014年、p38。

(30) 野村朋弘 編『日本文化の源流を探る』藝術学舎、2014年、p.51。

<参考文献>
野村朋弘 編『人と文化をつなぐもの コミュニティ・旅・学びの歴史』藝術学舎、2014年。
野村朋弘『伝統文化』 淡交社、2018。
西角井正大『民俗芸能(伝統芸能シリーズ)』ぎょうせい、1990年。
岩井宏實 編『技と形と心の伝承文化』慶友社、2002年。
山崎亮『ふるさとを元気にする仕事』筑摩書房、2015年。
紫牟田伸子 編『クリエイティブ・コミュニティ・デザイン 関わり、つくり、巻き込もう』フィルムアート社、2012年。
三隅治雄「民俗芸能の有効な保存伝承方法の確立に関する調査研究(第一部)―継承者の過去と現在」『芸能と科学』15:芸能論考Ⅷ 、1985年。

<参考映像>
平成16年度地域伝統芸術等保存事業映像記録保存事業『神々にいだかれて 那珂川町 岩戸神楽』那珂川町教育委員会企画、RKB映画社制作、2004年。

年月と地域
タグ: