野村朋弘 (准教授:主任)2016年10月卒業時の講評

年月 2016年10月
今季、卒業研究に取り組まれた皆さん、お疲れ様でした。そしてご卒業おめでとうございます。

私は、伝統行事や文化遺産、そして博物館といった文化事業などに関わる題材を中心に担当させて頂きました。

レポートの題材は、地域も取り上げ方も様々で、大変興味深く読ませて頂きました。

芸術教養学科の卒業研究レポートでは、地域に関わる文化資産を評価することを求めています。重要なことは文化伝統に関わることといっても単に歴史性だけではなく、今に遺されている資産をどう後世に伝えていくかを考えることです。

地域の文化資産とはさまざまなものがあり、一見、敷居が高そうなものでも、実際には身近なものもあります。対象となる文化資産を実見し、文献にもあたりつつ何を評価するのかを考察することは、本学科で修得すべき「ものも見方・考え方」が凝縮されています。

それぞれのレポートには秀でた箇所もあれば、今後の検討課題としてブラッシュアップして欲しい箇所もありました。そうした点については、個別の講評で指摘させて頂きました。参考にして頂いて、卒業されたあとも知ることを愉しんで下さい。

何より、卒業研究での考察とともに、それまで取り組まれた全科目で培った、未だ知らない事柄に相対した時の「眼差し」を大切にして欲しいと思います。

卒業生の皆さんのこれからのご活躍を祈念しております。