痛みを希望へ変える眼差しをデザインする、『地域保健』の挑戦

山下 重人

はじめに
健康は人々の活動を支える重要な基盤である。また、その維持には課題の把握と改善策が不可欠である。森は、課題を「痛み」、改善策を「希望」と表現している*1。地域住民の健康支援を担う保健師*2は、住民の課題を深く理解し、改善策を導き出す専門家とされている*3。本論では、保健師の活動を支援するWeb誌『地域保健』*4を取り上げ、デザインの観点*5から痛みを希望へ変える意義について評価・考察する。

1.基本データと歴史的背景

1-1. 痛みを希望へ変える保健師の役割とは
保健師は主に都道府県と市町村の行政機関に配属されている*6。本論では、中でも市町村の本庁や保健センターで活動する保健師*7を対象として定義する。
保健師は、個別的な健康支援を重視し、健康状態や課題を把握しながら、住民主体の健康づくりを指導している*8。また、他分野との連携や科学的根拠に基づく取り組みは、持続可能な地域保健システムを支えるソーシャル・キャピタル(信頼、規範、ネットワーク)の構築にも寄与している*9。
これらの活動は、共感、問題定義、視覚化といった人間中心のデザインの手法*10に沿った展開と一致する。

1-2. 保健師を支援してきた『地域保健』の創刊からこれまで
地域保健は1970年に創刊され、地域住民の健康増進と福祉向上を目的に、地域で活動する保健師を対象とした情報を発信する専門誌である。同誌では、これまで、時代の変化に応じて、保健活動に沿った特集記事や座談会が組まれ、保健師を支援する身近な雑誌としての機能を担ってきた(資料1)。
だが、ネット動画やSNSの普及を背景に、2023年3月号を持って紙媒体を休刊し、現在、Web版「地域保健WEB」として保健師関連の情報を無料配信している*11。

2.事例のどんな点について積極的に評価しているのか

2-1. 『東京保健師ものがたり』の連載と出版が繋ぐもの
『東京保健師ものがたり』は、保健師・和泉が東京都内での保健活動の実話をもとに執筆した小説である*12。本著は、もともと看護学生向けの実習副読本(冊子)として作成した作品である。新人保健師が現場で直面する課題や改善策を物語形式でわかりやすくまとめた内容に、地域保健の編集者が注目*13し、同誌での連載がスタートする*14。連載記事では、触れられることの少ない住民の痛み(健康課題)を扱った12の事例が紹介されており、それらを一冊の単行本にまとめ、『東京保健師ものがたり』として出版したことは評価できる。

2-2. デザインを通じてアプローチされる希望への道筋
本著の中でも、第11話「マイ スイート ハニー」*15は、若年認知症*16患者のマークとその妻麗子の実話を鮮明に描いた作品である。物語に登場する保健師・太田の取り組みは、デザインの観点からみても課題を改善へ導くプロセスを示している(図1)。
太田は、患者や家族の痛みに共感し、課題を明確化した上で、支援モデルを提案し、また、ショートステイや活動プログラムなどの試験的介入を通じて、評価・改良を繰り替えしながら、希望を後押している*17。
この事例は、デザインを活用した保健師のアプローチと、熟考と改良を重ねた人間中心の支援が有効であることを示唆しており、現場の実践的な事例を社会へ語り継ぐ作品として評価できる。

3. 国内外の他の同様の事例と比較して何が特筆されるのか

3-1. 行政の視点と現場の視点の違いからみえるもの
『保健師ジャーナル』は、地域保健と同様に保健師のための専門誌である。保健に関する行政の動向や政策、法改正の解説、実務に役立つ情報を論文形式で幅広く提供し、保健師の専門性向上の一役をなしている*18。また、行政方針に基づいた活動を掲載する一方で、『お悩み解決ブック』のような現場の声に応える情報も提供している*19。保健師ジャーナルは、政策や制度を現場にどのように実装し、保健師が全体像を理解するかに焦点を当てた行政の視点が特徴と言える。
一方、地域保健は現場の保健師や読者の生の声(資料2)を重視し、具体的な活動事例を共有する現場の視点にフォーカスしている(資料3)。特集のコラムや対談では、論者の写真や日常的な話題を通じた保健活動の記事が多く掲載されている(画像1)。こうした保健師にスポットをあてた現場の視点は、読者との距離を縮め、改善につながる痛みの本質を引き出しやすくさせる点で保健師ジャーナルと異なる。

3-2. 地域保健ネットサロンとオンラインイベントの連携
地域保健ネットサロンは、主に保健師や医療・福祉関係者を対象としたオンラインプラットフォームである*20。地域保健の読者を中心に、会員限定のメールニュースの配信やオンラインイベントを開催し、現場の悩みや各地域の課題など誌面にはない情報交換や交流の場として活用されている。特に、オンラインイベントでは新型コロナウイルス感染症の拡大時に、保健師の活動を支える役割を果たした*21。
これらの活動は保健師のスキル向上に寄与し、現場視点を重視する地域保健の強みといえる(資料4)。また、イベント情報ページでは、掲載記事に関連した独自開催のイベントやその他の最新のイベント情報が掲載されており、読者のニーズにも応えられやすい環境(資料5)と言える。これは保健師ジャーナルには見られない地域保健の取り組みの特筆される点である。

4.今後の展望について

4-1. グローバルな視点からみる隠れた痛みの発見と新たな希望
保健活動における問題解決は、国内にとどまらず国際的な知見を取り入れることで新たな発見やアイデアを生む。現在、地域保健では、現地で活動する専門家によるフランスの子育て支援について連載が組まれている*22。第1回目の連載では、家族関係の問題で痛みを受けやすい子供たちや浮浪児に対して、フランス政府、支援者が積極的に関わることで、子供自身が能動的に支援を頼る環境が整えられていることがわかる。これは、日本にはみられない痛みを抱えた当事者と支援者の関係性や違いを示している。また、読者がフランスの制度を理解するために、ネットサロンの声を取り入れた日本語翻訳の情報提供も行なっている*23。このようなプロセスは、現代ならではのインターネットを活用した好例であり、痛みの緩和を支援するアイデア創出の取り組みとして今後も期待する。

4_2. コミュニティデザインとアートの融合
保健師が地域住民とより強固な関係を築くためには、コミュニティデザインの手法を取り入れることが有効である*24。特に、芸術や文化活動を活用したプログラムは、住民の心の痛みの負担を軽減し、社会参加の意欲を高める効果がある*25。地域保健はWeb版以降、表紙に障害者の作品を採用*26、また同誌を運営する東京法規出版は障害者の朗読イベント活動に協力*27し、さらに保健師の活動を描いた映画上映会の企画も開催*28している。
アート表現を通じて地域を巻き込む取り組みは、痛みを抱える住民を支援する保健師の働きがいを支え、デザインのプロセスの強化や、相互理解、関係性の創出にもつながる要素(図2)として、今後も注目したい。

5.おわりに

痛み(課題)を希望(改善)へ変えるプロセスを語り継ぐ
保健師の活動やそれを支える地域保健の取り組みは、住民の痛みを共感を通じて理解し、それを希望へと変えるプロセスそのものである。東京保健師ものがたりの出版講演会で和泉は「ちっちゃなおせっかい」が、住民との距離を縮め、課題の本質を探る手がかりとして重要だと述べている*29。
地域保健は過去55年に渡り、こうした保健師たちの地道な活動のあしあとを現代に繋いできた*30。時代のスピードに翻弄された生活を送る私たちは、この痛みの奥深さを希望に変えてきた姿を今一度振り返り、次世代へ痛みの改善策(希望)として語り継ぐことが、今後さらに求められているのではないだろうか。
地域保健の役割は単なる情報提供にとどまらず、保健師の成長を支えるプラットフォームであることを再認識する必要がある。そのためには、保健師や同業者との関係を深めるだけでなく、保健師自身の生きがい、さらに広く捉えるならば、人々の幸福を高める仕組みを創出し続けることが求められる。なぜなら保健師もまた引退後、痛みの当事者になりえるからである。地域の痛みを希望に変えるデザイン力は、保健師一人ひとりの手に委ねられている。それを支える『地域保健』の使命は今後も変わらないであろう。

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  • 紙」_page-0002 画像1「地域保健チラシ」(地域保健WEB様よりご提供)、画像2「地域保健表紙 2021年5月号〜2024年3月号」(画像は地域保健WEB様よりご提供、筆者加工)
  • 81191_011_32181109_1_2_E8B387E696991EFBC9AE3808EE59CB0E59F9FE4BF9DE581A5E3808FE585A8E3838FE38299E38383E382AFE3838AE383B3E3838FE38299E383BCE4B880E8A6A7+1970.10EFBD9E2024.11EFBC88…_page-0001
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  • 81191_011_32181109_1_3_資料2:「健師のための『地域保健』活?に関するアンケート 〜地域社会の健康をテ?サ?インするために〜」(筆者作成)_page-0001
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  • 81191_011_32181109_1_3_資料2:「健師のための『地域保健』活?に関するアンケート 〜地域社会の健康をテ?サ?インするために〜」(筆者作成)_page-0017 資料2:「健師のための『地域保健』活⽤に関するアンケート ~地域社会の健康をデザインするために~」(筆者作成)
  • 81191_011_32181109_1_4_資料3:「『地域保健』関係者へのインタヒ?ュー取材」(筆者作成)_page-0001
  • 81191_011_32181109_1_4_資料3:「『地域保健』関係者へのインタヒ?ュー取材」(筆者作成)_page-0002
  • 81191_011_32181109_1_4_資料3:「『地域保健』関係者へのインタヒ?ュー取材」(筆者作成)_page-0003 資料3:「『地域保健』関係者へのインタビュー取材」(筆者作成)
  • 」(筆者作成)_page-0001 資料4:「『地域保健』と『保健師ジャーナル』の比較一覧表」(筆者作成)
  • 81191_011_32181109_1_6_資料5:「6_1『東京保健師ものか?たり』出版記念講演会参加後アンケート」(地域保健WEB様よりこ?提供)_page-0001 資料5:「6/1『東京保健師ものがたり』出版記念講演会参加後アンケート」(地域保健WEB様よりご提供)
  • 図:図1「保健師によるデザイン思考のプロセス図」、図2「新たな共感と信頼を生み出す人間中心の関係」(筆者作成) 図:図1「保健師によるデザイン思考のプロセス図」、図2「新たな共感と信頼を生み出す人間中心の関係」(筆者作成)
  • 紙と「地域保健」創刊のことは?(発行:地域保健研究会、1970年)_page-0001
  • 紙と「地域保健」創刊のことは?(発行:地域保健研究会、1970年)_page-0002 資料6:『地域保健』創刊号の表紙と「地域保健」刊行のことば(発行:地域保健研究会、1970年)

参考文献

【註】
*1 紫牟田は、ホスピタルアートディレクターの森から問題点を「痛み」に、改善策を「希望」に捉えるきっかけとなったと述べている。参考文献(1)、Koboの位置の「序章 コミュニティは常に変化する」17/22
*2 保健師は地域保健法に基づいて定められている主に保健所及び市町村保健センターの整備・運営に従事する専門家である。参考文献(2)
*3 東日本大震災において、災害時の保健師活動は、避難者の医療機関への入院や福祉避難所や介護保険施設への入所に結び付ける重要な役割を担っていたことがわかる。参考文献(3)、P27
*4 東京法規出版(東京都文京区)の公式HP「地域保健WEB」、https://www.chiikihoken.net/、(閲覧日:2025.1.25)
*5 ジャスパー ウは、デザイン思考とは、人々がもつ本当の問題を解決するための考え方(マインドセット)であり、「人」こそがサービスや製品、あるいはシステムのあり方・つくり方に影響を与える、非常に重要な要素と述べている。参考文献(4)、Kindleの位置P13
*6 保健師の活動拠点は都道府県では主に保健所、市町村では保健センターとなっている。参考文献(5)、P1-2
*7 厚生労働省の調査によれば令和6年度の自治体別常勤保健師数は39,205 人と増加傾向で、そのうち、本論で取り上げる市町村保健センターに所属する保健師は 11,209 人(同 33.7%)となっている。参考文献(6)、P2-3
*8 地域における保健師の保健活動には、住民の健康状態や生活環境の実態を把握や個別課題から地域課題へ活動の展開など10の指針が定められている。参考文献(7)、P5
*9 R. パットナムによれば、ソーシャル・キャピタルとは、社会の効率性を高めることのできる「信頼」「規範」「ネットワーク」といった人々の協調行動を活発にする社会組織の特徴と述べている。参考文献(8)、P1
*10 住民のニーズの把握(共感)、保健師による指導(問題定義)、住民をつなぐ行動(視覚化)の流れはデザイン思考のプロセスに通じる。参考文献(9)、P28-31
*11 紙面の休刊の挨拶にて1970年の創刊と約二十年前に東京法規出版が田中甲子氏より地域保健を引き継いだことや休刊の理由についてインターネット普及によるものと述べている。参考文献(10)、P104
*12 和泉は自著の中で「本書の事例はすべて私が出会った事例を基にしています」と述べている。参考文献(11)、P4
*13 和泉は紹介した事例は、当初、看護学生の看護学生向けの実習副読本「新人保健師のあなたへ」と題した冊子(全六話)に書いたもの、またその冊子を地域保健の前編集長が評価し、地域保健での連載作品につながったと『東京保健師ものがたり』出版記念講演会(2024年6月1日)で述べている。
*14 東京保健師ものがたりの連載は『地域保健』2021年5月号から2023年3月号までの12回に渡り掲載された。参考文献(12)
*15 和泉は出版記念講演会で患者が外国人、妻が看護師という要素は物語の重要キーとなるため、当事者から許可を得て忠実に描いた、と述べている。また、制度の狭間で十分な支援が得られない現状についても語っている。
*16 65歳未満で発症した認知症を「若年性認知症」と呼ぶ。全国の若年性認知症の数は約37,800人と言われ(平成21年3月厚生労働省発表)、認知症高齢者の1%にも満たないと言われている。参考文献(13)、P7
*17 参考文献(11)、P265-294
*18 医学書院「保健師ジャーナル」(https://www.igaku-shoin.co.jp/journal/664)は、1951年創刊の保健師向け雑誌。2022年1月より隔月刊化、電子版で読むこともできる。参考文献(14)
*19 保健師が抱える悩みやあいまいな業務区分に対し、『お悩み解決ブック』のような実践的なサポート情報を盛り込むことで、現場の声に応えている。参考文献(15)P241-242
*20 地域保健WEB「地域保健ネットサロン」、https://www.chiikihoken.net/annualsubscription、(閲覧日:2025.1.25)
*21 地域保健ネットサロンのオンラインイベントでは、保健師の新型コロナウイルス感染症対策でのストレスマネジメント研修、参考文献(16)やオンライン映画上映会、参考文献(17)が行われる。
*22 地域保健WEB「WEB連載 フランスの親子まるごと支援」、https://www.chiikihoken.net/serialization/awa/、(閲覧日:2025.1.25)
*23 地域保健WEB「お知らせ フランス・パリの「暴力定規」日本語版PDFができました」、https://www.chiikihoken.net/notification/2024/02/29/11310、(閲覧日:2025.1.25)
*24 紫牟田はコミュニティデザインについて、誰かが提供してくれたものを享受するというよりも、そこに参加するさまざまな人々が活動を通じて育んでいく状況づくりの契機となるようなことをつくるデザインと述べている。参考文献(1)、Koboの位置、第4章の 「参加型のアートと参加型のデザイン」2/12
*25 中でも臨床美術は、独自のアートプログラムにより脳の活性化を促し、認知症の症状改善や発達障害児の支援、感性教育に効果をもたらす。創作活動を通じて個々の意欲や潜在能力を引き出し、コミュニケーションの促進や生きる意欲の向上にもつながるとされている。参考文献(18)
*26 地域保健WEBでは2023年5月号WEB版以降(2025年1月現在)、障害者(筆者)のCG作品を雑誌の表紙に採用している。参考文献(19)、画像2
*27 地域保健WEB「イベント情報 詩・音楽・アートが織りなす感動の朗読イベント『なぜ生まれたのか知りたい』~孤高のアーティスト山下重人の詩を通して考える、自分だけの”ナゼウマ”~(2025/1/12)」、https://www.chiikihoken.net/event/2024/11/21/12611、(閲覧日:2025.1.25)
*28 地域保健WEB「第1回 地域保健ネットサロン映画上映会『じょっぱり 看護の人 花田ミキ』(2025/1/12)」、https://www.chiikihoken.net/event/2024/11/21/12619、(閲覧日:2025.1.25)
*29 和泉は出版記念講演会で「ちっちゃなおせっかい」の必要性ついて、一緒にゴミ捨てや部屋の掃除、ちょっとした買い物など、生活の小さな困りごとを解決することで信頼を得られたと述べている。
*30 『地域保健』創刊号(地域保健研究会、1970年)の〈「地域保健」刊行のことば〉では、地域住民と保健師の当時の課題(痛み)や今後の改善策(希望)が綴られている(資料6)。この主張はいまも変わらないと思われる。

参考文献:
(1)紫牟田伸子『痛みを希望に変えるコミュニティデザイン 痛みを希望に変えるコミュニティデザイン』、筑摩書房、2023年
(2)厚生労働省「地域保健」、https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/tiiki/index.html、(閲覧日:2025.1.25)
(3) 日本公衆衛生協会「東日本大震災における 保健師活動の実態とその課題報告書」、http://www.jpha.or.jp/sub/pdf/menu04_2_h24_03.pdf、(閲覧日:2025.1.25)
(4)ジャスパー ウ、見崎 大悟『実践 スタンフォード式 デザイン思考 世界一クリエイティブな問題解決』、インプレス、2019年
(5)日本看護協会「自治体保健師の 人材確保ガイド」、https://www.nurse.or.jp/nursing/home/publication/pdf/senkuteki/2020/securing_phn_resources_guide.pdf、2020年、P4-5(閲覧日:2025.1.25)
(6)厚生労働省「令和6年度保健師活動領域調査(領域調査) 【結果の概要】」、https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/hoken/katsudou/09/dl/ryouikichousa_r06_1.pdf
、(閲覧日:2025.1.25)
(7)厚生労働省「地域における保健活動の推進に向けて」https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/001131870.pdf、2023年、(2025.1.25閲覧)
(8)厚生労働省「住民組織活動を通じたソーシャル・キャピタル醸成・活用にかかる手引き」、https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000092157.pdf、2015年、(2025.1.25閲覧)
(9)早川克美『私たちのデザイン1 デザインへのまなざし ―豊かに生きるための思考術』(芸術教養シリーズ17)、藝術学舎、2014年
(10)東京法規出版『地域保健 令和5年3月号』、2023年
(11)和泉 慶子『東京保健師ものがたり』、 東京法規出版、2023年
(12)地域保健WEB「地域保健バックナンバー」、https://www.chiikihoken.net/backnumber/2021?y=2021、https://www.chiikihoken.net/backnumber/2022?y=2022、https://www.chiikihoken.net/backnumber/2023?y=2023、(2025.1.25閲覧)
(13)認知症介護研究・研修大府センター「若年性認知症支援ハンドブック~若年性認知症と診断された 本人と家族が知っておきたいこと~」、https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/guidebook_1.pdf、(2025.1.25閲覧)
(14)医学書院「保健師ジャーナル(雑誌資料)」、https://www.igaku-shoin.co.jp/application/files/2417/2241/2612/354a9209a1882bee61437ef989cc31cc.pdf、(2025.1.25閲覧)
(15)医学書院『保健師ジャーナル 8月号』第79巻4号、2023年
(16)地域保健WEB「イベント情報 【研修】新型コロナウイルス感染症対策等に対応する保健師のストレスマネジメント(9/25、11/6)」、https://www.chiikihoken.net/event/2021/04/30/8690、(閲覧日:2025.1.25)
(17)地域保健WEB「イベント情報 地域保健オンライン映画上映会『終わりの見えない闘い-新型コロナウイルス感染症と保健所』(2022/1/21~1/23)」、https://www.chiikihoken.net/event/2021/10/13/8899、(閲覧日:2025.1.25)
(18)三桝正典「臨床美術のアートプログラムにおける学びの 「可視化」」、広島女学院大学幼児教育心理学科研究紀要 1、2015年、P23-30
(19)地域保健WEB「地域保健バックナンバー 2023年」、https://www.chiikihoken.net/backnumber/2023?y=2023、(閲覧日:2025.1.25)
(20)塚原洋子「保健師の原点回帰 時代が変わっても日本の保健師活動の原点は変わらない」、福島県保健師長会研修、2015年
(21)中村英三「自治体における地域包括ケア活動の実践―地域包括ケアシステム構築におけるデザイン的思考―」、長野大学紀要 36.2、2014年、P49-63
(22)医学書院『保健師ジャーナル 12月号』第78巻6号、2022年
(23)医学書院『保健師ジャーナル 4月号』第80巻2号、2024年
(24)厚生労働省「保健師活動の歴史と国保保健師」、全国市町村保健活動協議会
常任理事 大坂 多惠子、https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/04/dl/s0430-5d.pdf、2009年、(閲覧日:2025.1.25)
(25)厚労省「平成23年版厚生労働白書(本文)」https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/11/、2011年、(閲覧日:2025.1.25)
(26)国立国会図書館デジタルコレクション「日本生活教育連盟「カリキュラム The curriculum」【全号まとめ】 」、誠文堂新光社、https://dl.ndl.go.jp/pid/2384724、1949-1959年、(閲覧日:2025.1.25)

参考動画
(1)YouTube「2024年6月1日『東京保健師ものがたり』出版記念講演会アーカイブ【地域保健ネットサロン会員イベント】」、地域保健編集部、2024/06/14配信、ネットサロン会員(無料)のみ視聴可能、(視聴日:2025.1.20)

謝辞:アンケートや資料提供に多大なご協力をいただいた、東京法規出版の武笠氏と地域保健編集部に感謝します。

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