早川 克美(教授:CLO)2025年9月卒業時の講評

みなさん、ごきげんよう!
今回提出された卒業研究レポート、私の担当したレポートは、それぞれの関心に基づき、都市景観から広告表現、歴史的建築や文化資産に至るまで幅広いテーマが選ばれ、みなさんの探究心の深さを感じました。よく調べた上で、自分なりの視点を加えようとした努力が伝わってきました。提出されたみなさん、おつかれさまでした。
まず特筆したいのは、「EXPO2025のオランダ・ドイツパビリオン比較」のレポートです。現地での体験を軸に、動線設計と体験構造をテーマに絞った視点がユニークで、展望の部分まで説得力がありました。
もうひとつは「ヒルサイドテラス研究」です。建築と人の関係性に注目し、槇文彦と朝倉一族の思想を空間とコミュニティの両面から読み解いた分析は、資料調査と考察のバランスが優れていました。
このように「現場に立った体験」や「人と空間・思想を重ね合わせる視点」が加わると、文化資産の評価がぐっと立体的になることが示されました。
次に、卒業研究を目指す後輩の皆さんに伝えたいのは次の3点です。
1. データを並べるだけでは不十分
年表や出来事を網羅するのは基礎ですが、それを「どう解釈するか」が研究です。自分の関心や問いを軸に、材料を論に組み立てることを意識しましょう。
2. 比較は「適切さ」が命
比較対象は「規模や性格、成立背景」が近いものを選ぶと説得力が高まります。単なる並列ではなく、比較から何が明らかになったかを必ず言葉にすることが大切です。
3. タイトルは研究の顔
読み手はタイトルから中身を想像します。本文の核を端的に表すことを意識してください。
卒業研究は、大学での学びを自分の言葉で結晶化する機会です。史実を調べる力、現地に足を運ぶ観察力、そして自分なりの視点を提示する表現力を統合する経験は、今後の生活や仕事に必ず生きてきます。今回の先輩方を始め、このアーカイブに残された先輩方の成果を参考に、自分だけの問いを大切にしたレポートに挑戦してください。
今回提出された卒業研究レポート、私の担当したレポートは、それぞれの関心に基づき、都市景観から広告表現、歴史的建築や文化資産に至るまで幅広いテーマが選ばれ、みなさんの探究心の深さを感じました。よく調べた上で、自分なりの視点を加えようとした努力が伝わってきました。提出されたみなさん、おつかれさまでした。
まず特筆したいのは、「EXPO2025のオランダ・ドイツパビリオン比較」のレポートです。現地での体験を軸に、動線設計と体験構造をテーマに絞った視点がユニークで、展望の部分まで説得力がありました。
もうひとつは「ヒルサイドテラス研究」です。建築と人の関係性に注目し、槇文彦と朝倉一族の思想を空間とコミュニティの両面から読み解いた分析は、資料調査と考察のバランスが優れていました。
このように「現場に立った体験」や「人と空間・思想を重ね合わせる視点」が加わると、文化資産の評価がぐっと立体的になることが示されました。
次に、卒業研究を目指す後輩の皆さんに伝えたいのは次の3点です。
1. データを並べるだけでは不十分
年表や出来事を網羅するのは基礎ですが、それを「どう解釈するか」が研究です。自分の関心や問いを軸に、材料を論に組み立てることを意識しましょう。
2. 比較は「適切さ」が命
比較対象は「規模や性格、成立背景」が近いものを選ぶと説得力が高まります。単なる並列ではなく、比較から何が明らかになったかを必ず言葉にすることが大切です。
3. タイトルは研究の顔
読み手はタイトルから中身を想像します。本文の核を端的に表すことを意識してください。
卒業研究は、大学での学びを自分の言葉で結晶化する機会です。史実を調べる力、現地に足を運ぶ観察力、そして自分なりの視点を提示する表現力を統合する経験は、今後の生活や仕事に必ず生きてきます。今回の先輩方を始め、このアーカイブに残された先輩方の成果を参考に、自分だけの問いを大切にしたレポートに挑戦してください。