野村朋弘 (准教授:主任)2017年9月卒業時の講評

年月 2017年10月


今季、卒業研究に取り組まれた皆さん、お疲れ様でした。そしてご卒業おめでとうございます。

私は、伝統行事や工芸品、また文化遺産などに関わる題材を中心に担当致しました。

レポートの題材は、地域も取り上げ方も様々で、大変興味深く読ませて頂きました。

芸術教養学科の卒業研究レポートでは、地域に関わる文化資産を評価し考察することを求めています。重要なことは文化伝統に関わることといっても単に歴史性だけではなく、今に遺されている資産をどう後世に伝えていくかを考えることです。

地域の文化資産とは多種多様です。対象とする文化資産を定め、文献や聞き取りの調査をしてから、何を評価するかを思案し纏める行為は、本学科で修得すべき「ものの見方・考え方」が凝縮されています。

今回読ませて頂いたレポートはそれぞれに優れた点があるものの、気になった点もあります。例えば比較対象に関する考察です。何をもって比較対象とするか、適材を選ぶことも重要なポイントですが、「挿絵」のように取り上げただけというものも見受けられました。こうした気になった点は、個別の講評で指摘させて頂きました。参考にして頂ければと思います。

卒業された後も、新たな「知ること」を愉しんで下さい。

卒業生の皆さんのこれからのご活躍を祈念しております。