2016年3月

小林哲

ノリタケの森 生まれた街にある公園、企業、そして文化

Ⅰ.はじめに ノリタケの森は私の生まれ育った地元にあり、20年以上前にはなるが、その周辺で毎日のように中学の同級生たちと遊んだ。当時から街の風景は大きく変化したも...

築野葉月

地域資源を活かし作られた芸術祭「アルテリッカしんゆり」

1.はじめに 川崎・しんゆり芸術祭 通称「アルテリッカしんゆり」は、毎年ゴールデンウィーク期にプロの音楽家や劇団による多彩なプログラムを川崎市麻生区内外にある施...

畠田裕子

文化遺産としての移情閣と孫文記念館としてつなぐ文化交流

■はじめに 移情閣は外観が六角に見えるところから地元では「舞子の六角堂」として長く親しまれている。この建物が文化資産として特筆すべき価値をもち、さらに日中の文化...

山口啓子

「木の粘土」 ー伝統的素材のこれからの展開ー

はじめに 「木の粘土」とは、木材のおがくずに糊を加えて練り、粘土状にした造形素材である。軽く丈夫で加工しやすく、乾くとほとんど木のようになり、独特の風合いが...

星野文香

やきもの散歩道の景観について

0.はじめに 日本六古窯の一つとされる愛知県常滑市には、窯業が最も栄えた昭和初期の風情が残され、今でも焼き物の文化が息づいている。この窯元が集積する集落一帯を...

幾見泰宗

加子母歌舞伎〜地歌舞伎から伝統を考察する〜

中山道と並走する中央本線を中津川で降り、そこから北北西に位置する温泉で有名な下呂に向かう途中に加子母という地域がある。檜などの良質な木材が取れることから江戸時...

竹中ゆき奈

茶へのこだわりについて 〜中国と日本の茶文化の比較から〜

1.はじめに 本稿では、地域の文化遺産に関わるものとして、中国と日本の茶文化に着目し、それぞれの国の茶文化を構成する要素や茶に対する捉え方、精神面の特徴ついて...

黒田街子

紀州東照宮 和歌祭の装束

紀州東照宮は、徳川頼宜が和歌山市和歌浦雑賀山に造営、1621年に完成した。境内には、本殿・拝殿・本地堂・護摩堂・開山堂・三重塔があったが、明治5年の神仏分離令によっ...

佐藤和彦

再考「横浜写真」

1.はじめに 「横浜写真は、かつて外国人に媚びた「演出写真」として日本写真史の枠組みでは、取るに足りないものとされてきた。」(註1) 「“横浜写真”...

藤戸雅也

徳島県、長谷川印刷所における活版印刷

1、はじめに 15世紀にグーテンベルクが活版印刷機を開発して以降、20世紀半ばまで活版印刷の技術は世界で広く使用されていた。日本でも今から40年ほど前までは、...